おすすめ書評まとめ おすすめ本書評まとめ2011年7月版 『ホロコーストを知らなかったという嘘―ドイツ市民はどこまで知っていたのか』★ フランク・バヨール著、ディータァ・ポール著。みんな薄々わかっていることながら、まあタイトル通り。『図解・感覚器の進化』★★★★ 岩堀修明著。久しぶりにすごくいいブルーバックス。図解多し。おすすめ。『プルトニウムファイル』★ アイリーン・ウェルサム著。ちょっと今話題の方向性とはずれてるけど、プルトニウムはプルトニウム、放射... 2011.7.30 おすすめ書評まとめ
科学技術哲学 ニコラス・ウェイド『宗教を生みだす本能 ―進化論からみたヒトと信仰』 原題"THE FAITH INSTINCT"。スティーブン・ピンカーの"THE LANGUAGE INSTINCT"(『言語を生みだす本能』)を意識して、その向こうを張ったものだ。 宗教を生み出し運用する能力は、言語を生み出し運用する能力と同じく、集団を内部で結束させ、他集団との戦闘などで有利にするために、進化によって積極的に選択された本能であり、何かの副作用でたまたま生じたわけではない。 という... 2011.6.18 科学技術哲学
文化芸術宗教 テッド・チャン『顔の美醜について』について 「顔の美醜について」のキモいところは、美醜という価値判断そのものの自明性が疑われない中で、藪の中のようなインタビュー的構成をとることで「多様な意見がある」とみせかけながらその全部が「悪平等を求める(戯画化された)フェミニスト」をバカにすることを媒介にしてつながっていることです。(Twitter / @hokusyu82: 「顔の美醜について」のキモいところは、美醜という価値 ... ) という感想... 2011.6.18 文化芸術宗教
科学技術哲学 ひらか゛なすいしょう問題についての概略 将来書こうと思っているテーマだったのだが、何年後になるかわからないので、概略だけでも先に書いておこうと思う。 ほぼ以前Twitterでつぶやいたものを清書したのみである。 過去の漢字廃止論の経緯などには全く関心がないため、ここで言う「ひらがなすいしょう論」は「漢字廃止論」と必ずしも同一ではなく、現在ネット上で広まっている漢字を廃止ないしは減少させてひらがなで日本語を表記すべきという主張 ぐらいの意... 2011.2.19 科学技術哲学
科学技術哲学 ニック・レーン『生命の跳躍――進化の10大発明』 ニック・レーン三冊目。これまでの本と重複する部分も多かったが、今回もとても面白い。はじめに 進化の10大発明1 生命の誕生――変転する地球から生まれた2 DNA――生命の暗号(コード)3 光合成――太陽に呼び起こされて4 複雑な細胞――運命の出会い5 有性生殖――地上最大の賭け6 運動――力と栄光7 視覚――盲目の国から8 温血性――エネルギーの壁を打ち破る9 意識――人間の心のルーツ10 死――... 2011.2.6 科学技術哲学
政治経済社会 マット・リドレー『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史』 原題は『合理的楽観主義者――繁栄はどのように進化したか』ぐらいの意味。直訳の方が良かったのではないかと思うこと以外はまったく素晴らしい。強くおすすめする。 内容的には、すでによく紹介されているところがあるのでそちらに譲るが、ちょうど関連書籍に並べたような本の内容をまとめたような感じになっている。これまで好意的に紹介してきたものばかりなので、同時におすすめ。参考リンク書評 「The Rational... 2010.11.14 政治経済社会
科学技術哲学 マイケル・コーバリス『言葉は身振りから進化した―進化心理学が探る言語の起源』 言語の起源については大昔から、神話的なものから、こんなのみたいに多少は実証的なものまで、いろいろな説があったわけだが、それが「音声」言語であることは、比較的近代になるまで自明のことと思われていた。 しかし最近は、音声言語より先に手話のようなジェスチャー言語が先にあったのではないかと思われている。この説はわりとよく聞いていて正しそうだと思っていたが、これ一本に絞った本は初めて。 声と言語は同じではな... 2010.11.7 科学技術哲学
おすすめ書評まとめ 書評在庫一掃セール2010年10月版 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『5万年前―このとき人類の壮大な旅が始まった』★ ニコラス・ウェイド著。ところどころちょっと勇み足っぽく見えるところがあるが、悪くないと思う。... 2010.10.31 おすすめ書評まとめ