考える葦

パンセ (中公文庫)

 人間は自然のうちで最も弱い一茎の葦に過ぎない。しかしそれは考える葦である。これを押し潰すのに、宇宙全体は何も武装する必要はない。風のひと吹き、水のひとしずくも、これを殺すに十分である。しかし、宇宙がこれを押し潰すときにも、人間は、人間を殺すものよりも一層高貴であるだろう。なぜなら、人間は、自分が死ぬことを知っており、宇宙が人間の上に優越することを知っているからである。宇宙はそれらについては何も知らない。

 それゆえ、われわれのあらゆる尊厳は思考のうちに存する。われわれが立ち上がらなければならないのはそこからであって、われわれの満たすことのできない空間や時間からではない。それゆえ、われわれはよく考えるように努めよう。そこに道徳の根源がある。

パスカルパンセ』)

 考える葦――私が私の尊厳を求めるべきは、空間に関してではなく、私の思考の規定に関してである。いかに多くの土地を領有したとしても私は私以上に大きくはなれないであろう。空間によって、宇宙は私を包み、一つの点として私を呑む。思考によって、私は宇宙を包む。

(パスカル『パンセ』)

 時間ないので『紙』のゴミ箱から没ネタ救済キャンペーン実行中。あーやっぱりパンセはいいよパンセ。

おまけ

 パンダもいいよパンダ。

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