『Vフォー・ヴェンデッタ』オススメ度 8/10点

2006.4.232009.5.23

　『マトリックス』のクリエイターの作という触れ込み以外前評判一切抜きであまり期待せずに観に行きましたが、結論から言うとかなり面白かったです。

　全体として明らかに『リベリオン』にインスパイヤされていますが、同等以上には面白いので許せます。そもそも『リベリオン』自体が『マトリックス』にインスパイヤされまくった作品だったので、そこに突っ込むのは酷ですし。

　全体主義的な近未来政府に立ち向かう超人的ヒーロー、というストーリーは一言で言ってしまえば『リベリオン』の一般人視点版です。そのわりには『リベリオン』より抑圧の描写が薄く、いまいち反抗の必要性を実感できなかったりしますが。

　イギリスの歴史的事件や、シェイクスピア・怪傑ゾロ・巌窟王（モンテ・クリスト伯）といった古典のモチーフを持ち込むことで『リベリオン』との差別化を図ったのでしょうが、逆に部分的に残ったハードSF的な要素が妙に浮いている印象もありました。

　とはいえ面白いか面白くないかというと明らかに面白かったです。同じクリエイターだからと言って『マトリックス』の続編を期待して観に行くと外れるかも知れませんが、純粋に一本の映画として見ればかなり当たりの部類に入るでしょう。『リベリオン』を観ていなかったら満点をつけていたかも知れません。