『ブラッド・ダイヤモンド』から連想して借りてきた少年兵問題の本。
少年十字軍みたいな集団狂気や末期のヒトラーユーゲントみたいなヤケクソはあれど、あくまで例外であり、有史以来古今東西を問わず子どもが軍事に関わるのは常にタブーとみなされていた。
しかし、今子供兵はかつてなく増えている。現代の紛争地域では、正規軍の装備や練度も大したことないし、狙いがソフトターゲットであることも多く、軽くて取り扱いの容易なAK-47一挺持った子どもで十分役に立ってしまうのだ。
それどころか、誘拐・洗脳で簡単に徴集できるし、死の概念が未発達なので死を恐れず、自爆も辞さないし、報酬も欲しがらない。敵も見落としたり躊躇したりするし、むしろ大人より都合が良かったりする。
どう見ても最悪の人権侵害だし、地域の復興にも大変な障害となるが、公式にはいないことになっているので皆存在を否定するし、すぐに死ぬか成長していなくなってしまうので、なかなか目に入りにくくなってしまっている。
うーむ、大体知っているつもりだったが、改めてひどい話だ。非常におすすめ。私が一点強調するとしたら、人間は「合理的」でインセンティブ次第で何でもやるのだ、ということかな。
参考リンク
おまけ
小さな大量破壊兵器つながり。
コメント
>1
「使われる側」を意識したつもりはないなあ。
死の概念もつくかつかないかの子供にインセンティブもくそもないべ。
むしろ、対策を考えるような立場の人たちに、
ただやめてというだけじゃなくて使う側のインセンティブ
(を減じる方法)を意識して欲しいなという感じ。
>人間は「合理的」でインセンティブ次第で何でもやるのだ
使う側も使われる側も然り、ということかなぁ。