上の記事で見てようやくこの分野の入門書として本当におすすめできる読みやすい本が出たかなと思って早速借りてきたが正解。
全体で200ページとちょっとの新書だが、変な陰謀論やポジショントークに陥ることなく、歴史的・思想的背景を幅広く取り上げている。
また参考文献の表記が非常に充実しており、この分野で重要な本がほとんど一覧できると言ってもいいぐらいだ。この問題に興味を持った人のための最初の一冊としてベストと言えるのではないか。
どちらかというと環境運動の側に同情的で、タイトルに反発を憶えるような人にもおすすめできる。著者は、
素朴に、それこそFBI的に(もっとも彼らは政策的意図からそうしているのだが)「エコ・テロリズム」という概念のみを用いて分析していくことは、歴史的背景を、そして事の本質を、見誤ることに繋がるだろう。
と述べており内容もそれに沿っている。おそらくタイトルは、商業的事情から著者の意図に反しても派手にせざるをえないのだろう。
ちなみに参考文献のひとつ池上俊一氏の『動物裁判』は『針の上で天使は何人踊れるか』を発見するまでここで使おうと思っていた本だし、「はじめに」では『地球が静止する日』と黙示思想の関係に言及されたりしていて、一瞬お前は俺か感に捕らわれた。
関連図書
おまけ
確かに「市民的不服従」は(というか「市民」自体も)日本では全然理解されてない概念だ。
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