政治

政治経済社会

ティム・ハーフォード『人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く』

『まっとうな経済学』と同著者。 原題は『生活の論理:不合理な世界の合理的な経済学』ぐらいの意味合いで、今回もかなり面白い。 『まっとうな経済学』は『ヤバい経済学』と連続して紹介したけど、奇しくもまた『超ヤバい経済学』に連続しての紹介。 それぞれの位置づけも、やはり前回と同じで、変わった話題に経済学的視点を適用してみる『超ヤバい経済学』に対して、こちらはひたすら“インセンティブ”という視点に絞って地...
政治経済社会

スティーヴン・D・レヴィット スティーヴン・J・ダブナー『超ヤバい経済学』

前作に比べると大幅に劣るけど、やはり面白い。売春の章が一番面白かった。 一般に話題になったのは温暖化の章らしいが。まあこんな皮肉った言い方してるから、もめるのは仕方ないか。 一方、どんな宗教にも邪教はつきもので、地球の温暖化もご多分にもれない。ボリス・ジョンソンは古典学を学んだジャーナリストで、その後ロンドン市長になった人だ。彼はラヴロックを読んで――ジョンソンはラヴロックを「神がかりの人」と呼ん...
政治経済社会

話せばわかる

「お互い人間なんだから、話せばわかる」 という考え方がある。 一見、文句のつけようのない立派な考え方に見えるが、大きな問題がある。 なぜか? 対偶を取ってみればわかる。「話してもわからない(≒自分に同意しない)やつは人間ではない」 と言っているのと同じである。 「話せばわかる」という信念は、自分が間違っている可能性を常に真剣に考える態度とセットでなければ危険である。おまけ 13日の金曜日→ジェイソ...
政治経済社会

ダン・ガードナー『リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理』

我々が恐れなければならない唯一のものは、恐怖そのものである。(フランクリン・ルーズベルト) ルーズベルト大統領はともかく、この言葉は好きだったのに、しばらく積んでたのを後悔。これは素晴らしい。超いい。『詐欺とペテンの大百科』『表現の自由を脅すもの』 と並んで、一家に一冊配布を義務づけたいレベル。進化心理学本メディアリテラシー本科学リテラシー本社会問題リテラシー本 いずれの視点から見ても最高クラス。...
政治経済社会

マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』

原題 "Justice - What's the Right Thing to do?"(『正義――何が正しいことなのか?』)NHKでハーバード白熱教室として放送されているらしい講義の書籍化。 歴史を足早におさらいする感じや、日本での流行り方からは、正義論に集中した『ソフィーの世界』、といった印象を受ける。 確かに流行るだけあって、大変よくまとまっていると思う。この分野の入門書としては最高だ。おす...
科学技術哲学

クリストファー・レーン『乱造される心の病』

私はADHDなどの新しい精神疾患の概念には懐疑的である(参考)が、ちょうどそれに関する話題のようだったので読んだ。 ますます疑念が強まる結果になった。読んでいて楽しい本ではないが、下の目次や抜粋を見て興味を持った人にはおすすめする。目次第1章 心の問題か?脳の問題か?――不安をめぐる一〇〇年の闘い第2章 感情が病状にされる――診断をめぐる闘争第3章 内気は病気になった!――精神医療産業の決定的勝利...
映画・ザ・ムービー

裏・真アバターにして至高のAB級映画『第9地区』 オススメ度 10/10

素晴らしすぎる。これは最高です。すでに今年度最高はもちろんオールタイムベストに数える人がいるのも全面的に頷けます。 『アバター』で殺菌・消毒・漂白され尽くして乾ききっていた心に、血と汗と涙と小便とゲロと脳漿をぶちまけていい具合にうるおいを取り戻してくれました。 PG-12指定されるぐらいのそこそこきついグロ描写がありますが、そこをクリアしている人は余計な情報を入れてしまう前に是非見に行って下さい。...
科学技術哲学

鹿野司『サはサイエンスのサ』

サはサイエンスのサ:ハヤカワ・オンライン(目次)サはサイエンスのサ くねくね科学探検日記(公式) 巡回先にも入っている『くねくね科学探検日記』の鹿野司によるサイエンスエッセイ集。 語り口は実にくだけた感じで、ネットスラングやマンガネタも入るし、イラストもとり・みきで軽妙な感じだけど、内容そのものは極めて正統派。上のリンクから目次を見てもらえば雰囲気は掴めるだろう。 話題の幅が広いわりに奥も浅くなく...