政治

ガイア教の天使クジラ

ガイア教の天使クジラ48 アーサー・C・クラーク『海底牧場』 3/5

【第47回】 【目次】 【第49回】現代文の問題 『海底牧場』最終回のつもりだったが、ひとつ試してみたいことができたので、一回分増やしてワンクッション置く。 以下は、第46回で取り上げた視察の帰りの飛行機内での、主人公フランクリンとマハ・テーロとの議論である。シリーズの観点から見て、この作品で一番興味深い部分と言える。 これを読んで、次の問題に答えてもらいたい。決して引っかけ問題とか、ひねったネタ...
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ガイア教の天使クジラ47 ブッチャーから始まる屠畜時空

【第46回】 【目次】 【第48回】洋ゲーの話をしよう 初期のネットワークRPGとして大ヒットした『Diablo』(1997)にブッチャーという中ボスがいる。 角の生えた太った男性型の悪魔で、巨大な肉切り包丁を持ち、血塗れの白い肉屋エプロンをつけている。*1 解体された人体だらけの部屋――上の画像にはこれでも一番グロいところは入っていない――で待ち構えていて、ドアを開けると「うおお新鮮な肉ぅ!」み...
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ガイア教の天使クジラ46 アーサー・C・クラーク『海底牧場』 2/5

【第45回】 【目次】 【第47回】仏教と菜食主義 仏教の原則の一つに(中略)森羅万象に慈悲をたれよ、というのがある。これを忠実に守った仏徒はほとんどいない、有名無実の掟だ。彼らは、他人の殺した四つ足の肉を食べれば同じことだと、詭弁を弄して従わないのだ。しかし、近年、この戒律を強化しようとする試みがしばしば行われ、偏狭な菜食主義者と肉食主義者との間で、論争が絶えなかった。これらの議論の余波が、世界...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2018年4月版

『Goならわかるシステムプログラミング』★ 渋川よしき著。最初の一冊には向かないけど、いい。『消費資本主義!: 見せびらかしの進化心理学』★★★★★ ジェフリー・ミラー著。素晴らしい。shorebird先生のところで大まかな内容を知っていたにも関わらず詳細も大変面白かった。訳書情報 「消費資本主義!」 - shorebird 進化心理学中心の書評など『気づきのセラピー―はじめてのゲシュタルト療法』...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2018年3月版

『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』★ ピーター・ティール著、ブレイク・マスターズ著。ちょっと面白い。『外来種は本当に悪者か?: 新しい野生 THE NEW WILD』★★ フレッド・ピアス著。前から興味ある人にとっては当たり前というか、もはや藁人形叩きの領域に達しているところもあると思われるが、基本いいと思う。『経済学をまる裸にする 本当はこんなに面白い』★★★★ チャールズ・ウィ...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2018年2月版

『ビジュアル 数学全史――人類誕生前から多次元宇宙まで』★ クリフォード・ピックオーバー著。「ビジュアル」に関してはもちろんおまけ程度だけど、数学ネタ集としては十分いい。『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』★★ エリック・バーカー著。原題"BARKING UP THE WRONG TREE The Surprising Science Behind Why Everythi...
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おすすめ本書評まとめ2018年1月版

『女と男のだましあい―ヒトの性行動の進化』★★★★★ デヴィッド・M・バス著。とても良い。結構前に出てた本なのに知らなかったのは不覚。内容は例によってshorebird先生のところ参照。書評 「The Evolution of Desire: Revised and Updated Edition」 - shorebird 進化心理学中心の書評など『アマゾノミクス データ・サイエンティストはこう考...
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ガイア教の天使クジラ45 カニバリズムには2種類の側面がある

【第44回】 【目次】 【第46回】 捕鯨あるいは鯨肉食を、人肉食・カニバリズムになぞらえて非難することが、しばしば行われる。 このシリーズを書き始めてからの時期で、ある程度大きな話題になったものだけに限っても、少なくとも2回はあった。興味があって話題を追って来ている人なら憶えているはずだ。 批判目的ではあっても直接リンクする機会を増やすべきものではないと思うし、内容そのものが興味深いわけではない...