科学技術哲学 サイモン・イングス『見る―眼の誕生はわたしたちをどう変えたか』 視覚全般に関する本。質・量・ひろがり・まとまりどの基準を取っても最高クラスです。超おすすめ。プロローグ 若さと老い第1章 感覚の共同体第2章 視覚の化学第3章 どのようにして眼は可能になるのか?第4章 適応する眼第5章 見ることと考えること第6章 視覚の理論第7章 視覚能力を授けられた神経質なシロモノ第8章 色を見る第9章 見えない色第10章 眼が見るということエピローグ 見えないゴリラ ついでだ... 2009.9.24 科学技術哲学
文化芸術宗教 山本弘『アイの物語』 山本弘つながりで読む。これは確かにすごく面白い。『神は沈黙せず』の時のような引っかかりもないし、迷わずおすすめできる。404 Blog Not Found:感無量 - 書評 - アイの物語 弾さんみたいにベストフィクションとまでは言えないけれども、同じポジティブなAIネタを扱っても、宗教的伝統から来るフランケンシュタイン・コンプレックスからいまだ完全に自由でない(ように思われる)世界の最先端SF作... 2009.9.22 文化芸術宗教
政治経済社会 アンソニー・プラトカニス エリオット・アロンソン『プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く』 かなり昔読んだ本だが、ちょっと記憶を確かめたいことがあって再読。ついでにおすすめ。 プロパガンダという単語からは政治的なものの方が先に連想される。この本でもナチスの宣伝戦略の話などはもちろん出てくるが、重点が置かれているのはむしろ広告の方。 もちろん政治を軽視する意図は全くないが、現代人が最も大量に晒され日々の生活に影響を受けているのは確かに商業広告なので、そのテクニックを知っておくことは大切。参... 2009.9.15 政治経済社会
政治経済社会 ポール・コリアー『最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?』 以前立ち読みで良い本だとは思っていたけど、図書館の予約の順番が回ってきたのでまた読んだ。やっぱりすごく良い本だった。おすすめ。 思いっきり要約すると、ここ数十年の間に、先進の10億人+発展途上の50億人 という構図だった世界は、先進or発展途上の50億人+底辺の10億人 という構図になりつつあるということ。 そして、この底辺国が陥っている罠を打破するには、軍事介入や貿易自由化という、通常こうした最... 2009.9.10 政治経済社会
政治経済社会 ジョン・ホバマン『アメリカのスポーツと人種』 ボルトが異次元の世界新 100M9秒58で優勝 に関連して、人種差別問題でオススメの本3冊 に追加しておいた方がよいと思う本を紹介しておく。 白人と黒人両者が人種的運動能力に関する調査を恐れているのは、それが知力や情緒に関わるもっと内面的な人種的差異を示唆するからである。科学者と一般人のいずれも、人種的な身体構造や生理についての本音を隠し続けているので、両者の不安は解消することがない。こうした沈黙... 2009.9.5 政治経済社会
おすすめ書評まとめ 書評在庫一掃セール2009年8月版 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険』★★★ 鈴木光太郎著。懐疑本としてなかなかおすすめ。『オオカミ少女はいなかった 心理学の... 2009.8.30 おすすめ書評まとめ
おすすめ書評まとめ 書評在庫一掃セール2009年7月版 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『自分をつくりだした生物―ヒトの進化と生態系』★★★ ジョナサン・キングドン著。先史人類とそのテクノロジーが環境といかに相互作用してきたかとい... 2009.7.21 おすすめ書評まとめ
科学技術哲学 ジョン・ホイットフィールド『生き物たちは3/4が好き 多様な生物界を支配する単純な法則』 ダーシー・トムソン以来のアロメトリーの話題から始まって、生物学・生態学に対する数学的・工学的アプローチに関する本としてなかなかうまいことまとまっている。 昔『ゾウの時間ネズミの時間』という本が流行ったけど、あの頃から比べるとまたかなり理論が進歩しているので、更新してみるのもいいのでは。おすすめ。 余談だが、この話をガリバー旅行記で説明した絵本を読んだような記憶があるのだが、情報を引き出せない。 か... 2009.7.21 科学技術哲学