書評

科学技術哲学

スティーヴン・ジェイ・グールド『神と科学は共存できるか?』10月18日発売

amazonからのメールおすすめが初めて役に立った。予約注文しとこう。 ドーキンスの『神は妄想である』の中で『千歳の岩』という名前で批判的に言及されていた本だ。 原題が『ROCKS OF AGES』だから直訳としては千歳の岩で正しいが、さすがにわかりにくすぎるということで邦題がこうなったんだろう。 実をいうと『神は妄想である』はもうだいぶ前に読んだのだが、どう言及すればよいものか迷っている。 ドー...
科学技術哲学

スティーヴン・ジェイ グールド『暦と数の話―グールド教授の2000年問題』

365番目のエントリなので、暦にちなんだ本を紹介。 グールドは進化論関係ばかりでなくてこんなのも書いている。サヴァン症候群の息子に触れている部分などは、他の本では見られなかった彼の側面が見られて面白いだろう。 日頃なにげなく使って当たり前だと思っている年月日、曜日の概念にも様々な歴史があることがわかって少し違った気分で生活できるようになるかもしれない。参考リンク。もうひとつの「2000年問題」さら...
政治経済社会

ポール・クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』

最近ちょっとずつ経済学に興味が向いてきた私。 昔からいろいろな分野に一通り首を突っ込んでは、一通り納得がいくまで熱中し、そして結構すぐ飽きる、というパターンを繰り返してきた中で、不思議と経済学にはこの歳になるまでほとんど興味が向いた覚えがない。 なぜだろう。元々お金にあまり執着がない*1せいかもしれない。 人間と社会の複雑さがもっとも濃密に絡み合う経済の動きにまともな理論などあるはずがない。経済学...
科学技術哲学

レオナルド・サスキンド『宇宙のランドスケープ 宇宙の謎にひも理論が答えを出す』

『エレガントな宇宙』以来の超弦理論本。なかなかよかった。おすすめ。 生命はごく最近まで歴史上常に、あり得ない驚異であり究極の神秘と思われてきた。科学の進歩とともに今日では生命もその誕生も特に不思議とは思われなくなってしまったが、それでも驚異はステージを一つ繰り上がって保存されている。 「では、なぜそもそも宇宙の物理法則が生命という化学的特性をそれほど不思議ではなくするようなものになっているのか?」...
科学技術哲学

ピーター・フォーブズ『ヤモリの指―生きもののスゴい能力から生まれたテクノロジー』

そでの宣伝文より抜粋。 吸盤もないのに壁や天井に張りついて楽々と歩くヤモリ、泥の中でも汚れ知らずのハスの葉、色素もないのに鮮やかな青に輝くモルフォ蝶……これらの、生き物が発揮する「離れ業」はどういう仕組みなのかという謎が、ナノテクや超高解像度顕微鏡、遺伝子組み換えなどの最先端技術で解き明かされたとき、人はその巧みさに驚き、魅了された。しかし人はそこに留まらず、いつしかそれらの秘密を科学技術で再現し...
政治経済社会

瀬島龍三氏が死去=伊藤忠元会長、政財界「参謀」で活躍

Yahoo!ニュース - 時事通信 - 瀬島龍三氏が死去=伊藤忠元会長、政財界「参謀」で活躍 瀬島龍三は「大日本帝国はスゴかったんだぜ!」という種類の意識によって過大評価されている部分は絶対にあるだろうが、それを差し引いてもすごい人物であったろう。 昔この『大東亜戦争の実相』という本を読んで面白かった記憶がある。モロ利害関係者の証言だということを忘れずに読める人には、おすすめする。おまけ 【ニコニ...
科学技術哲学

リチャード・ドーキンス『祖先の物語~ドーキンスの生命史~』

こ・れ・は、素晴らしい! 殿堂入りクラス。 内容については訳者あとがきの記述が十全なのでその引用に留めるが、グールドを精神上の師の一人に数える私には特別な感慨がある。 とにかくこれは超オススメ。 本書は、進化生態学の巨匠ジョン・メイナード・スミスに献じられているが、ある意味で、「宿敵」スティーヴン・ジェイ・グールドに捧げられた本とも言える。『社会生物学論争史』の中でセーゲルストローレは、ドーキンス...
科学技術哲学

ショーン・B・キャロル『シマウマの縞 蝶の模様 エボデボ革命が解き明かす生物デザインの起源』

突然だが、この世で最も驚異的な自然現象はなんだろう? 虹? オーロラ? 台風? 噴火? 津波? 超新星爆発? 大きい方はそんなところかもしれないが、小さい方に目を向けると胚発生が有力な候補に入ってくると思う。驚異と感じないとすれば、それは毎日その結果を見すぎて慣れてしまっているからだろう。 最近になって急速に進歩した発生生物学についての本。面白かった。以下は前書きからの抜粋。 ノーベル物理学賞受賞...