科学

政治経済社会

ウィリアム・パウンドストーン『プライスレス 必ず得する行動経済学の法則』

『ライフゲイムの宇宙』と『囚人のジレンマ』の二大傑作でうちではお馴染みウィリアム・パウンドストーンの行動経済学本。 それらと同等とまでは言えないが、かなり面白い。 「価格」というものがいかに曖昧模糊とした人間的な構築物であるかということが繰り返し強調される。 この場でただ一言だけ憶えておくならば「ふっかけた方が得」か。 タイトル通り面白いだけでなく実益につなげることもできそうなので、営業や交渉に携...
科学技術哲学

フリーマン・ダイソン『宇宙をかき乱すべきか〈下〉』

上巻に続いて下巻から、クリーンエネルギー関連の話題。 短絡的な善悪二分法は害悪であり、短いスパンの現実と長いスパンの理想は両立しうるし、させねばならない。 今日の状況の参考にすべき部分は多いと思われる。21 銀河系の緑化 なぜわれわれは、グレーは悪でグリーンは善だと単純に言うべきではないのか? グリーンな技術を奉じグレーなあらゆるものを禁ずることによって救済への近道をとろうとすべきではないのか? ...
科学技術哲学

フリーマン・ダイソン『宇宙をかき乱すべきか〈上〉』

星新一とフリーマン・ダイソンは、いつ読み返しても何かしら新しい発見がある。 停電ネタで星新一を続けてやったので、今度はダイソンの自伝『宇宙をかき乱すべきか』の上下巻からそれぞれ一箇所ずつ抜粋する。まず上巻から原発についての話題を。 要約すると、巨大さそのものがひとつの失敗だという意見だ。『多様化世界』の中の「迅速を尊ぶ」の章にも近い意見がある。 ちなみに、1979年の本なので、福島原発事故はもちろ...
おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2011年2月版

最近読んだり見たりしたもの、またはずっと紹介したいと思っていたものの中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『不思議の森のアリス』★★★ リチャード・マシスン著。短篇集。ホラー系。結構好き。『運命のボタン』★ リチャード・マシスン著。...
科学技術哲学

ウィリアム・ソウルゼンバーグ『捕食者なき世界』

書評 「捕食者なき世界」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 内容についてはshorebird先生にお任せ。生態学の基本としてはまともだし、面白くもあるけど、全体として作者の意見には乗れないな。最後の一文を引用。 わたしには、今も獰猛な肉食獣にかみ殺される不安を抱えながら暮らしている数少ない人々の気持ちを代弁することはできないし、そうするつもりもない。ライオンがうろつく畑で眠らざるを...
科学技術哲学

古川和男『「原発」革命』

中国が開発する「クリーンな新型トリウム原発」とは | WIRED VISION のニュースから知った。面白い。 核融合炉の実現も太陽エネルギーだけで済むようになるのもまだまだ先だし、原子力発電の重要性は今後当分高まっていく一方だろうから、頑張って欲しいな。参考リンクNPO「トリウム熔融塩国際フォーラム」溶融塩原子炉・溶融塩炉NHK クローズアップ現代 放射性物質“トリウム”最前線404 Blog ...
科学技術哲学

ニック・レーン『生命の跳躍――進化の10大発明』

ニック・レーン三冊目。これまでの本と重複する部分も多かったが、今回もとても面白い。はじめに 進化の10大発明1 生命の誕生――変転する地球から生まれた2 DNA――生命の暗号(コード)3 光合成――太陽に呼び起こされて4 複雑な細胞――運命の出会い5 有性生殖――地上最大の賭け6 運動――力と栄光7 視覚――盲目の国から8 温血性――エネルギーの壁を打ち破る9 意識――人間の心のルーツ10 死――...
政治経済社会

トラフグの胆で人類滅亡

一昔前に流行して、現在も昔ほどではないが人気がある話に、「世界には地球を何回も滅亡させるだけの核ミサイルが云々(中略)これは狂気だ!」 というようなものがある。 これは確かに一見もっともらしいが、一見もっともらしいだけで、大した意味はない。フグ一匹のテトロドトキシンは何百人もの致死量にあたる! という台詞が、仮にまったくの事実であっても、フグが日常的に水揚げされ・捌かれ・食われていることが、別に狂...