SF

映画・ザ・ムービー

『インセプション』 オススメ度 8/10

マトリックスと『13F』を足して2で割った感じ。 とはいえ、数多のマトリックスフォロワーの中では、これまでで一番面白かったかも。*1夢で死んだときどうなるのかのルールがいまいち不明確夢共有装置がむっちゃしょぼい第1階層のキック方法を事前に決めてたなら、第2階層が○△□になるのは事前にわかってただろうに、なんで困ってんの? とか、細かいところをツッコミ始めたらキリがないのだけど、そういうところは無視...
文化芸術宗教

ジェイムズ・P・ホーガン死去

SF作家ジェイムズ・P・ホーガン 逝去|お知らせ|東京創元社SF Site News ≫ Obituary: James P. Hogan 『星を継ぐもの』は最近しんざきさんもおすすめしてたように、SFオールタイムベストに数える人も多い傑作。 私もオススメできるのは、まず『星を継ぐもの』を含む「巨人たちの星」シリーズ3部作。ただし、このシリーズは後に行くごとに急速につまらなくなっていく。(最初が面...
おすすめ書評まとめ

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア小特集

『動物感覚』でラセンウジバエ*1という単語が出てきたので、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアのことを思い出した。 わりと好きなSF作家で、やたらかっこいいタイトルをつける。思い出しついでに、印象が残っているものだけ厳選して紹介する。『星ぼしの荒野から』★★★★ なんと言っても白眉は『ラセンウジバエ解決法』。この一本だけでも読んでおく価値はあると思う。映像化されているらしいが、それは見ていない。映像...
文化芸術宗教

貴志祐介『新世界より』

21世紀初頭に超能力の存在が確認されてから1000年後、人類は機械文明を捨て独自の精神文明の世界を築いていた……。 と書くと、なんともそそらない陳腐極まる設定に見えるのだが、実際に読み始めると1ページ目から引き込まれる。随分ひさびさに小説で時間を忘れるぐらい面白かった。 SFでもファンタジーでもありホラーでもあり、冒険活劇でもありジュブナイル小説でもある。1つ1つのネタは陳腐に見えても全体の完成度...
映画・ザ・ムービー

裏・真アバターにして至高のAB級映画『第9地区』 オススメ度 10/10

素晴らしすぎる。これは最高です。すでに今年度最高はもちろんオールタイムベストに数える人がいるのも全面的に頷けます。 『アバター』で殺菌・消毒・漂白され尽くして乾ききっていた心に、血と汗と涙と小便とゲロと脳漿をぶちまけていい具合にうるおいを取り戻してくれました。 PG-12指定されるぐらいのそこそこきついグロ描写がありますが、そこをクリアしている人は余計な情報を入れてしまう前に是非見に行って下さい。...
アニメコミック

久住昌之 谷口ジロー『孤独のグルメ』

知る人ぞ知る怪作。タイトルの時点ですでに何かが決定的におかしい。 内容も、輸入雑貨の貿易商を個人で営んでいる井之頭五郎という普通の男が、腹を空かして普通に食事をするというだけ。本当にただそれだけ。 藤子不二雄のSF短編で、食事と性行為に関する羞恥心の概念が逆転した世界に迷い込んでしまう男の話があった。(参考) その世界では、食事は個体の維持にしか貢献しない利己的な行為だから、一人隠れてこっそり行う...
文化芸術宗教

伊藤計劃『ハーモニー』

いつぞやの表現規制の件周辺で何度かタイトルを小耳に挟んだので読んだ。『すばらしき新世界』『1984年』『エヴァ』百合(公認) って感じか。表現規制の件で引かれた文脈はまあわかった。 でも『すばらしき新世界』『1984年』の部分はそのまんま。『エヴァ』の部分は、読んだ人はわかると思うが、「老人」って言葉の使い方とか、結局人類補完計画*1かよとか。 元ネタに対するプラスアルファの部分が百合以外これとい...
映画・ザ・ムービー

『サロゲート』 オススメ度 5/10

映画【サロゲート】オフィシャルサイト 「サロゲート」と呼ばれる遠隔操作の義体を使って、生身の体は家で寝転んだまま仕事でもホビーでも好きに行うことができる技術が一般化した時代。 かつてダイハードな肉体で鳴らしたジョン・マクレーン刑事も、寄る年波には勝てず(主に髪が)、義体で捜査をしています。 奥さんとも相変わらずうまく行っていないところに、泣きっ面に蜂。「くらえッ! スタンド『フランケンシュタイン・...