2018 10/7

『知ってるつもり――無知の科学』★★★

 スティーブン・スローマン著、フィリップ・ファーンバック著。いまではそんなに珍しくない話題ではあるが、意外によかった。

『知の果てへの旅』★

 マーカス・デュ・ソートイ著。個々の話題はちょっと薄い気もするけど、よい。

『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』★★★

 ヨハン・ノルベリ著。まあこれもいまではそんなに珍しくなくなってきた話題ではあるが、よい。

『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』★

 スティーヴン・ウェッブ著。50の理由のアップデート版。正直そこまで変わってない。前のを読んでればパスでもいいかも。

『遺品整理屋は見た!』★

 吉田太一著。孤独死関係のエッセイ集というか。ちょっと興味深い。

『馬・車輪・言語』★

 デイヴィッド・W. アンソニー著。かなり専門的。思いっきり『銃・病原菌・鉄』の装丁をなぞってる気がするけど、同じ調子で読もうとするときついかも。

『人が人を殺すとき―進化でその謎をとく』★★★★★

 マーティン・デイリー著、マーゴ・ウィルソン著。殺人に関する進化心理学の古典。古典らしくいま読むと流石に古い話題とも感じるが、古いからといって間違っているわけではない。あまり馴染みがなければ今からでもおすすめ。

『amazon 世界最先端の戦略がわかる』★★★★

 成毛眞著。IT業界人なら知っていることも多いだろうが、とても面白い。

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2018 6/17

『シンメトリーの地図帳』★★★

 マーカス・デュ・ソートイ著。普通に良い数学啓蒙書。

『サルは大西洋を渡った』★★★

 アラン・デケイロス著。面白い。内容はshorebird先生にお任せ。

『誰もが嘘をついている』★★

 セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ著。『ヤバい経済学』ビッグデータ版みたいな位置づけの本。著者自らそう言っている。

『とっておきの数学パズル』★★★

 ピーター・ウィンクラー著。タイトル通り。高水準。

『猫はこうして地球を征服した: 人の脳からインターネット、生態系まで』★★★★

 アビゲイル・タッカー著。これも面白い。内容はこれもshorebird先生にお任せ。

『プログラマ脳を鍛える数学パズル』★

 増井敏克著。よくあると言えばよくあるが、いいと思う。

『七王国の玉座』★★★★★

 ジョージ・R・R・マーティン著。アマゾンプライムビデオで『ゲーム・オブ・スローンズ』がとても面白かったので原作も。これはすごいな確かに。ゾンビもドラゴンもいるテンプレ的ファンタジー世界なはずなのにあまりファンタジーぽくない不思議。なんともユニーク。まだまだ続く。

『集合論入門』★★★

赤攝也著。タイトル通り入門書だが、大変よい。

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2018 4/22

『Goならわかるシステムプログラミング』★

 渋川よしき著。最初の一冊には向かないけど、いい。

『消費資本主義!: 見せびらかしの進化心理学』★★★★★

 ジェフリー・ミラー著。素晴らしい。shorebird先生のところで大まかな内容を知っていたにも関わらず詳細も大変面白かった。

『気づきのセラピー―はじめてのゲシュタルト療法』★

 百武正嗣著。『キレる私をやめたい』で知った。若干スピリチュアルというかオカルティックな領域に踏み込んでるような気もして100%首肯はできないが、面白い。

 私にはこれも自己欺瞞の話に見えてくる。自己欺瞞という概念が確立していない時代から経験的に積み重ねられた、自己欺瞞を脱するためのテクニック集、というか。

『夫に死んでほしい妻たち』★

 小林美希著。夫婦で読んだ。

『かさぶたくん』★★★★★

 やぎゅう げんいちろう著。子供がなぜか無茶苦茶ハマって一ヶ月近く毎晩読んでた。

『おへそのひみつ』★★★

 やぎゅう げんいちろう著。こっちもかなり。

『文明の接近』★★★

 エマニュエル・トッド著。識字率やその他のデータから判断すれば、イスラム特殊論には根拠がないという話。なかなか面白い。ビント・アンム婚という概念を初めて知った。

『帝国以後 〔アメリカ・システムの崩壊〕』★

 エマニュエル・トッド著。こちらもそれなりに。アメリカに悲観的すぎ中国やロシアに甘すぎるように思えるが、フランスの左派としては普通なのか。

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2017 9/17

『シブサワ・コウ 0から1を創造する力』★★

 シブサワ・コウ著。電ファミの記事がムチャクチャ面白かったので。やっぱり一代で大企業を築くような人は普通ではないな。

『すごい進化 – 「一見すると不合理」の謎を解く』★★

 鈴木紀之著。内容はshorebird先生にお任せ。

『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』★

 パット・シップマン著。イヌの家畜化の影響が大きかったのではないかという仮説。

『きずなと思いやりが日本をダメにする 最新進化学が解き明かす「心と社会」』★★★★

 長谷川眞理子著、山岸俊男著。対談形式。進化心理学とか慣れてる身には初歩的だが、賛成できる内容。詳しくはやはりshorebird先生にお任せ。

『錯覚の科学』★★★★

 原題”The Invisible Gorrilla and other ways intuitions deceive us”(『見えざるゴリラ――その他直感が我々を欺く方法』)有名なゴリラバスケ動画の実験他「不注意による見落とし」の本。内容はいいのに地味すぎる邦題がもったいなすぎる。自分が見落とされるブラックジョークか?

『天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編』★★★★★

 上橋菜穂子著。ついにラスト。若干駆け足気味ではあったが、最後まで面白かった。唯一気にくわなかった「帝」関連も一応無理のない(?)結末ついたし。著者の他シリーズも読んでみよう。

『この世界の片隅に公式ガイドブック』★

 「この世界の片隅に」製作委員会著。長尺版作成決定とか聞いた。

『哲学入門』★★★

 戸田山和久著。タイトルの印象から普通に連想される内容ではない。ダニエル・デネットとか、いわゆる伝統的な「哲学」ではない哲学の入門。入門の新書としては最適かと。

『菜根譚』★

 洪自誠著、中村璋八翻訳、石川力山翻訳。いろんな意味で古典らしい内容。やや単調で退屈にも感じるが。

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2017 6/25

『Swift実践入門 ── 直感的な文法と安全性を兼ね備えた言語』★★★

 石川洋資著、西山勇世著。自分で使うあては当面ないが。Scalaで見覚えある機能が多く、普通にアプリ作るのにこれ使えるなら、いいなあ、という印象。

『自己変革するDNA』★★★

 太田邦史著。ビジネス系自己啓発本と間違われそうなタイトルだが、これは文字通りに生物のDNAの本。結構面白い。

『イノベーションはなぜ途絶えたか ──科学立国日本の危機』★

 山口栄一著。

『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』★★★★

 マシュー・サイド著。今や見慣れた内容な気もするが、啓蒙書としてまとまり良い。

『ソシオパスの告白』★★★

 M・E・トーマス著。自らソシオパス(サイコパス)を名乗る人の本。この本自体に演技が入っていることは確実であろうことから、引いて読む必要はあるかも知れないが、面白かった。

『戦争にチャンスを与えよ』★★

 エドワード・ルトワック著。放言オヤジの無茶苦茶と言えばそれまでなのだが、ただの無茶苦茶ではなく、真理の一面に考えを向けさせる、価値ある無茶苦茶ではあると思う。

『六三四の剣』★★★★★

 村上もとか著。古いのはどうしようもないけど、これはおもろいわ。

『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』★★★★★

 樺沢紫苑著。個別には知ってることばかりなのだが、著者のYoutube見て「こんな胡散臭いおっさんにできてることが私にできないなんて許せん!」と一念発起して、ついに朝型化に成功したので、悔しいけど星5つ。いわゆるゲーム脳の人に好意的な記述があるのは残念。

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2017 5/3

 歴史上「わいせつ」の要件を具体的に示しえたためしがない、というのはよく言われることで、それはそれで正しいと思われる。

 だが進化心理学的視点に立てば「わいせつ」を過不足なく単純に定義することは容易だ。

  • 性が社会≒権力≒年配の男性(の同盟)にとって適切に管理されていない状態

 だ。そもそも具体的にどんな行為や表現であるかは問題ではないのだ。たとえば、

  • 一夫一婦制は社会的にひとつの安定解だから、夫婦間の性は基本的にわいせつではない。
  • 男性の性は、おおっぴらにアピールされて比較されると、年配の男性が若い男に負けてしまうので、露骨な場合のみわいせつである。
  • 男女の利害は一致しづらいので、女性の主体的な性アピールは基本的に――自分ひとりに向けられる場合を除き――全てわいせつである。

 もし、ホモ・サピエンスの祖先が、強い一夫一婦傾向(わずかに一夫多妻)で、メスが群れを出てオス同盟(≒男系)で権力が受け継がれるタイプの類人猿でなかったら「わいせつ」の定義はどんなものになっていただろう?

 これをまともに想像するのは難しい。なぜならすでに現在の「男性」「女性」の心理は、人類の祖先がそのような類人猿だったことと不可分だからだ。

 しかし、進化的に形成された心理が変わらないまま、現在の社会環境が変わったらどうなるかは、考える意味がある。それが実際に起きたことだからだ。

 ここ100年やそこらで、これまでと比べて、社会が家父長制権力的でなくなってきて、同時に女性の政治力が上がってきた。

 男性が実際にやってきたように、女性が自分たちに都合よく「わいせつ」を定義するとしたら、一体どのようなものになるだろう。

 よく知られているように、進化視点で男性の利益を突き詰めると皇帝のハーレムになる。この世で性行為できる男性は自分ひとりでいい。

 男性の皇帝のハーレムにあたる、女性の進化的利益の究極形は、乙女ゲーによくあるように、金と権力のあるイケメンがみんな自分に求婚してくる状態だが、男性との重要な違いは、基本的・相対的に「量より質」になることだ。

 皇帝のハーレムは、どんな美女でもひとりではだめであり、多少それより劣った女性・並程度の女性であっても、追加されるのは普通歓迎である。

 しかし、女性にとっては、究極に金と権力のあるイケメンがひとりいるだけでも、別に構わない。それより劣った男性・並程度の男性が追加されるのは、あまり嬉しくないどころか、むしろ邪魔でさえある。

 女性の進化的利益を最大化するように進化によって形成された心理傾向を正当化するような道徳を、進化心理学を知らない状態で、女性が作るとしたら、どのようなものになるのか。

 自分が求婚を受け入れるような最高クラスの男以外からの性的アプローチはすべて「わいせつ」であると定義することになるはずだ。

 ……はずだというか、それはもう実際に起きたことで、こうした女性主体で定義された「わいせつ」は特に「セクハラ」と呼ばれている。*1進化心理学による、いわゆる後ろ向きの予言だ。

 だから「ただしイケメンに限る」的な皮肉は、確かに一面の真理をついていると思われる。

 「セクハラ」の具体的要件、いつどこで誰がやっても変わらないというような意味でのそれは、「わいせつ」の具体的要件と同様に、誰にも示しえないと思われる。特に誰がやるかが決定的に重要なのだ。

 ただしそれは、歴史的に年配の男性が自分たちの都合のいいように「わいせつ」を定義してきたのと、何も変わらない。

 「セクハラ」の定義の方が恣意的に見えるのは、男性の性は基本的・相対的に「質より量」で、相手の質が重要でない、ということの反映に過ぎない。

*1:もちろん現在の「セクハラ」は対女性限定の用語ではないが。

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2017 4/30

『マシュマロテスト』★★★★★

 ウォルター・ミシェル著。なんかもうよく知っているような気になっているマシュマロ・テストだが、改めてオリジナルに触れてみるととても面白い。

『へんな星たち 天体物理学が挑んだ10の恒星』★

 鳴沢真也著。ちょっと面白い。

『天と地の守り人 第2部 カンバル王国編』★★★★

 上橋菜穂子著。最終章中編? やはり面白い。

『量子コンピュータが人工知能を加速する』★

 西森秀稔著、大関真之著。内容は興味深いのだが、本としてはいまひとつ。

『ダメな統計学: 悲惨なほど完全なる手引書』★★

 アレックス・ラインハート著。元から興味がある人でないと読みにくいだろうけど。

『将軍と側用人の政治』★★★

 大石慎三郎著。意外なほど面白かった。

『となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通の科学』★★★★★

 トム・ヴァンダービルト著。これはすごい。単独で全く見たことも聞いたこともないという話は少ないけど。

『未来からのホットライン』★★★★

  J・P・ホーガン著。初めて読んだのは大昔。今ではシュタインズゲートの直接の元ネタとして有名か? 古いけど今でも十分面白い。未読だが星野之宣バージョンあるのか。

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2016 11/23

 というエントリを以前書いたが、最近もうひとつ別の要素も大きく関わっているのではないかと思うようになった。

 これはニセ科学に騙されているとか不安商法に踊らされているというよりも――その要素は実際あると思うが――ある種の呪術であり、自ら信じたいのではないかと。

 そのベースになる考え方はすでに一度書いている。

 子供の知的発育は非常に重大なことである。にも関わらず、現実的で有効な対処法は存在しない。存在しても、それをそうと確信することはできない。まじないが流行る絶好の問題だ。

 流行するまじないは、実行可能であり、適度なもっともらしさと困難さを備えていなければならない。

 実行は可能だ。大抵の家庭にはテレビがあり、当然ついていることもよくある。実行可能でも負担が大きすぎて生活に支障が出るようではだめだが、そんなことはない。テレビを消しても死なないし、真剣に困ることもまずない。

 逆にあまり簡単すぎるのも、ありがたみが無くなるので駄目だ。これもクリアする。テレビを見たがる子供をなだめたり、自分で相手をしたりするのも、「ちょっと頑張ったな」と思えるほどの負担ではある。

 ……完璧に当てはまっているように思える。

 子供の知能という重大な事柄が、遺伝のようなもう変えられない要因や、まだ誰も解明していない偶然の要因に左右されているというのは不安だ。だからそれを制御しうると、確実にプラスになることをしていると信じて安心したいのだ。たとえ根拠薄弱だと知っていても。

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