2012 3/17

(本文とは無関係)

 Twitterのアイコンやこのブログのfaviconとして使っている目のドット絵の話。

 これは、元はといえば『人狼のなく頃に』(ひぐらしのなく頃に+人狼BBSのパロディWebゲーム)を作り始めた時に、アイコンを利用するためにDLしたcgi素材の中の、占い師アイコンである。

 人狼のなく頃にでは占い師ではなくGMのアイコンとして使用したため、FAQページに書いたような経緯で私のアイコンのようになり、惰性で私のアイコンになってしまった。*1

 しかし、惰性だけではなく、それなりに考えて決めたことでもある。コロコロ変えると憶えてもらえないので、一生安定して使い続けられるように選んだ。このデザインには、

  • 目は人間の認知システムで最も目を引くようになっている
  • いかなる人類社会でも名前のある一番基本的な色は白と黒だ*2

 等々の、そう簡単に変わらないであろう利点がある。

*1:後に、そのまま使い続けるのはまずいかと思って、元絵を参考に自分で打ち直しているが。
*2:何かの本で読んだうろおぼえの知識だが。ちなみに次は赤らしい。

おまけ

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2012 3/11

『こんなに違う!世界の性教育』★★

 橋本紀子監修。ためになる。

『しあわせ仮説』★★★★★

 ジョナサン・ハイト著。非常に面白い。生きていく上でも役に立ちそうだ。

『大絶滅 ―2億5千万年前,終末寸前まで追い詰められた地球生命の物語―』★

 Douglas H.Erwin著。いわゆるP-T境界の大量絶滅に関する本。

『コンピュータ科学者がめったに語らないこと』★

 D・E・クヌース著。The Art of Computer Programmingで超有名なドナルド・クヌース

『ヴィクトリア朝時代のインターネット』★★

 トム・スタンデージ著。電信とインターネットの類似性。

『沈没船が教える世界史』★★

 ランドール・ササキ著。水中考古学。

『喜びはどれほど深い?: 心の根源にあるもの』★★★

 ポール・ブルーム著。主題は喜びというより本質主義。前著にかぶる部分も多いがかなり面白い。

『世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記』★

 竹内健著。エルピーダ倒産関連の話題から読む。

『大気を変える錬金術――ハーバー、ボッシュと化学の世紀』★★★★★

 トーマス・ヘイガー著。ハーバー・ボッシュ法についても、このふたりの人生もひと通り知っていたはずなのだが、めちゃめちゃおもろい。

『食のリスク学―氾濫する「安全・安心」をよみとく視点』★★★

 中西準子著。311前の本だが、いまもおすすめ。

『ニンテンドー・イン・アメリカ: 世界を制した驚異の創造力』★★★★

 ジェフ・ライアン著。アメリカ視点のせいか、知らないことが多くて面白い。

おまけ

 おもれーなこの人。

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2011 5/18

プライスレス 必ず得する行動経済学の法則

 『ライフゲイムの宇宙』と『囚人のジレンマ』の二大傑作でうちではお馴染みウィリアム・パウンドストーンの行動経済学本。

 それらと同等とまでは言えないが、かなり面白い。

 「価格」というものがいかに曖昧模糊とした人間的な構築物であるかということが繰り返し強調される。

 この場でただ一言だけ憶えておくならば「ふっかけた方が得」か。

 タイトル通り面白いだけでなく実益につなげることもできそうなので、営業や交渉に携わる人は一度読んでおくとよいかも。

参考リンク

関連書籍

おまけ

 ギャンブルにかかる心理の話も。

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2010 10/25

(本文とは無関係)

 現在某所でトップになっている、痴漢冤罪対策と称するコピペ。数年ごとに流行するデマで、2004年からあるらしい。私もいつかは忘れたが、前回のブーム時には見た覚えがある。

 この現象は、昔の「悪魔を退散させる呪文」とか、子供に流行する「口裂け女に話しかけられた時のおまじない」といったものの、現代・大人版と言えるであろう。脅威を制御しうると信じて安心したい人間心理の発露である。

 何の本で得た知識か忘れたが、このようなまじないが発生し、流行するにはいくつかの条件があるようだ。下に適当に並べてみるが、こうして見ると、このコピペは実に良くできている。数年ごとに大流行するだけの理由はあると思える。

1「稀で深刻な脅威である」

 日々誰もが遭遇するような現実の脅威なら、いい加減な呪文やまじないに頼ってなどいられない。頼る必要もないだろう。まず経験者の話を聞きに行けばいい。

 噂には聞くが、自分や身近な人が実際に遭遇したことはないという程度の、稀な発生率である必要がある。おそらく痴漢冤罪の発生率はこの条件を満たす。

 次に、当然だが深刻でない脅威ならそもそも制御したいという心理もそれほど強くならない。痴漢冤罪によって被る被害は、間違いなく深刻と言ってよいだろう。

2「現実的で有効な対処法は存在しない」

 ホモ・サピエンスは、概ね現金で抜け目ない生きものだ。当たり前だが、そんなものがあれば、それで対処するのだ。*1

 そして、痴漢冤罪はこの条件も満たす。ブームの度に言われていることだが、現実的で有効な方法は、今のところ実在しないと思われる。日本の司法制度・風土および満員電車という現実は、どちらも個人が一朝一夕で変化させうるものではない。

3「まじないは適度なもっともらしさ・困難さを備えている」

 もっともらしくなければいけないのは当たり前と言えば当たり前だが、もっともらしければいいというものでもない。

 まず、実行可能でなければならない。誰も憶えられないような呪文や、誰も実行できないようなまじないが流行ることはありえない。実行可能でも現実生活の負担に感じるほど難しくては駄目だ。しかし、逆にあまり簡単すぎるのも、ありがたみが無くなるので駄目だ。

 昔だったら聖書の章句を暗唱するとか、今だったら法律の条文を二つや三つ暗記するとか「ちょっとやってみるか」と思えるほど簡単だが「ちょっと頑張ったな」と思えるほどには難しい、という絶妙な複雑さが要求される。

*1:「未開人はもっぱら呪術の世界に浸っていたのではなく、自然の力と超自然の力をともども認識し、普段は確実な知識に基づく合理的な手段で自然に対処していたが、あらゆる努力も知識も凌駕する不可知の影響力を統御するときに、呪術に頼った。文明社会も実は同様なのであり、理性と神秘の境界線の位置や知識の体系のあり方、それらと社会の仕組との関係が異なっているだけなのである。」などこの辺も参考。

おまけ

 電車で妖怪で脅威で卑猥というとこれか。

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2010 10/22

人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く

 『まっとうな経済学』と同著者。 原題は『生活の論理:不合理な世界の合理的な経済学』ぐらいの意味合いで、今回もかなり面白い。

 『まっとうな経済学』は『ヤバい経済学』と連続して紹介したけど、奇しくもまた『超ヤバい経済学』に連続しての紹介。

 それぞれの位置づけも、やはり前回と同じで、変わった話題に経済学的視点を適用してみる『超ヤバい経済学』に対して、こちらはひたすら“インセンティブ”という視点に絞って地道にまっとうな話を続ける感じ。

 最後の方の、選挙民の合理的な無知と、先進国の農業補助金のように数的には小さい集団の利権が通ってしまいやすい理由のあたりの話は重要で、他にあまりわかりやすい説明を見た覚えがない。オススメする。

参考リンク

関連書籍

おまけ

 人間は面白い。

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2010 10/15

なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか (ハヤカワ文庫NF)

 UFOは一時期に比べてめっきり人気なくなったので時期外しの感はあるけど、わりといい本だったと思う。『抑圧された記憶の神話』は怖すぎて読めないという人にいいかも。

 アブダクティーの研究から見えてきたいちばんのポイントは、わたしたちの多くは神のような存在とのコンタクトを求めていて、エイリアンは、科学と宗教との矛盾に折り合いをつける方法なのだということだ。わたしぱ、ユングの「地球外生物は科学技術の天使である」という言葉に賛成する。
 アブダクションを信じることによって得られるものは、世界じゅうの多くの人たちが宗教から得ているものとおなじであるのは明らかだ。人生の意義、安心、神の啓示、精神性、新しい自分。正直言って、わたしもいくらかほしいと思うものもある。アブダクションの信奉は、事実ではなく信仰にもとづいた宗教の教義のひとつだと考えることができそうだ。実際、多くの科学的なデータが、ビリーバーは心理的な恩恵を受けていることを示している。彼らは、そういうものを信じていない人より、幸せで健康で人生に希望を持っている。わたしたちは、科学や技術か幅をきかせ、伝統的な宗教か批判される時代に生きている。天使や神に宇宙服を着せ、エイリアンとして登場させたら納得がいくのではないだろうか?
 わたしたちは、スピリチュアリズムや、心の平穏や、不思議な力や、人生の意義を求めている。ベルトルト・ブレヒトが戯曲『ガリレイの生涯』のなかで語ったように、「わたしたちを主人公にした大宇宙という名の劇が書かれていて……こんなつまらない星のあわれな役よりもっとすばらしい役が用意されているのだと励ましてくれる」なにかか必要なのだ。エイリアンによる誘拐は、科学技術の時代における新しい宗教への洗礼なのかもしれない。

参考リンク

関連書籍

おまけ

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2010 9/12

Spent: Sex, Evolution, and Consumer Behavior

 shorebirdさんのところで『Spent.』の連載やってるからか、誰かがグリーやモバゲーを下流食いと揶揄して物議を醸した話に関連して、考えてみたくなった。

 上記エントリの続きでもある。この時の要点は、MMORPGのようなゲームが、一種の人間性ハックになっているということだった。

 あの時代にはまだ、現在ソーシャルゲームと呼ばれているものはなかったが、現在のアイテム課金を主な収入源とするゲームは、こうした MMO の時代のノウハウをさらに洗練させたものだろう。

 そもそも人間は何のために消費をするのか、ということで、わりと見過ごされて来たのは“見せびらかすため”という部分。

 アイテム課金というのはこの視点抜きでは、ありえない。例えば、1人用ファミコンRPGのアイテム課金に何十万円もつぎ込む、というシチュエーションを想像すれば、それがどんなに馬鹿らしいかは誰にでもわかる。

 対してゲーセンなら、たとえ1人用のゲームであっても、そのアイテム課金にコイン何十万円も注ぎ込む、というシチュエーションは、十分ありうる。ゲーセンには観客がいるからだ。

 家庭用のゲーム機でも、友達等が遊びに来れば観客はできるし、課金することもありうる。しかし、毎日誰か来るような家は稀だし、仮に来ても課金の仕組みが実在しないのだから誇示的消費は不可能だ。

 従って昔の――今でもほぼ同じだが――家庭用ゲーム機における見せびらかし的消費は、ソフト自体を沢山購入するということぐらいかありえなかった。

 MMOの時代には、常時観客がいる状態になったので、課金の需要はあった。しかし、ゲーム提供者が、まだそのことに気づいていなかったので、ゲーム外のリアルマネートレードという形で、見せびらかし的消費を行うしかなかった。*1

 そして、ついにゲーム提供者側が、見せびらかし的消費の潜在価値に気づいて*2現在のアイテム課金のソーシャルゲームができた。大雑把にいえば、公認リアルマネートレードがデフォルト装備されている MMORPG のようなものが。

 まとめると、アイテム課金のソーシャルゲームというのは、 MMOよりさらに一歩進んだ人間性ハックだということだ。

 しかし、MMOが単純に麻薬だとは言えない、というのと同様、ソーシャルゲームが、普通の経済活動より、何か罪深いとか低級だとは、私は考えない。

 むしろゲームという歴史の浅い新しい存在が、銀行が豪華なビルを建てたり、宝石屋がダイヤのブランド戦略を打ったりするのと同等の、普通の人間の経済活動のレベルまで追いついたのだと思う。

 そして、普通の経済活動というものが、特定の誰かの価値観から見て、良いことばかりであることは滅多にない。それだけのことだと思う。

*1:もしくは時間の誇示的消費を行い「廃人」となるしかなかった。
*2:本当にそう意識してやっているのかは知らないが、少なくとも経験的には。

おまけ

 普通の人間の音楽活動。

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2010 6/27

リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理

 我々が恐れなければならない唯一のものは、恐怖そのものである。

フランクリン・ルーズベルト

 ルーズベルト大統領はともかく、この言葉は好きだったのに、しばらく積んでたのを後悔。これは素晴らしい。超いい。

 と並んで、一家に一冊配布を義務づけたいレベル。

  • 進化心理学本
  • メディアリテラシー本
  • 科学リテラシー本
  • 社会問題リテラシー本

 いずれの視点から見ても最高クラス。それぞれ同等以上の内容をもつ本はもちろんあるけど、一冊に濃縮した感じ。その割に価格も低めでコストパフォーマンスも最高。

 例の『The Cove』見に行く人は、これ読んでからにしてほしいかも。

参考リンク

関連書籍

おまけ

 なんでもないものが恐怖の象徴となるたったひとつのルール。

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