2010 3/7

本当の戦争―すべての人が戦争について知っておくべき437の事柄

 こういう「冷静な頭と温かい心」的な感じは好き。そでより。

戦場特派員として、15年にわたり、中南米、アフリカ、中東、バルカン半島など、世界中の紛争地をかけめぐって報道してきた前線記者が、豊かな経験を活かし、戦争とはなにかをQ&A方式で事細かに示したのが本書である。

現代の強力な武器や爆発物が、命を奪うだけでなく、人間にどんな傷を残すのか。現役の兵士や退役軍人、さらには医師、心理学者などに取材を重ねて、できるかぎり現実の戦争の状況をダイレクトに伝える内容になっている。戦争終了後も、戦闘員や民間人たちは、肉体的・精神的に深い傷を負って一生苦しむ、それらは目に見えない傷である場合も多い。

戦争を知ることは、われわれの暴力性・残虐性と向き合うことである。私たちは戦争にまつわるロマンティックなイメージを信じ込むのではなく、そこで起きていることの真実を知る必要がある。それは自分たちが戦場に送り込む者たちに強いている犠牲を、はっきりと意識することでもある。民主主義の世界では、有権者は戦争の正確な代価を把握していなければならない。

映画やマスコミによって流されるイメージとはまったくちがう、本当の戦争とはどんなものなのか。戦争は恐ろしい。そして常に悲惨だ。何世代もが大きな傷を負う。私たちは戦争がもたらすものを知らなければならない。それを怖れなければならない。

参考リンク

関連エントリ

おまけ

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2010 2/26

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

 いつぞやの表現規制の件周辺で何度かタイトルを小耳に挟んだので読んだ。

  • 『すばらしき新世界』
  • 『1984年』
  • 『エヴァ』
  • 百合(公認)

 って感じか。表現規制の件で引かれた文脈はまあわかった。

 でも『すばらしき新世界』『1984年』の部分はそのまんま。『エヴァ』の部分は、読んだ人はわかると思うが、「老人」って言葉の使い方とか、結局人類補完計画*1かよとか。

 元ネタに対するプラスアルファの部分が百合以外これといってインパクトなく、単独として面白いとは思えなかった。『虐殺器官』の方が面白いのかなあ。どうしよう。

*1:ここは更にその元である『幼年期の終り』と言うべきか。

おまけ

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2010 1/31

(本文とは無関係)

 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。

 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。

『キサラギ』★★★

 D.IKUSHIMAさん経由。確かになかなか面白い脚本だ。映画も機会があったら見たい。まあ見たいとか言ってる程度だとたぶん見ないが。

『ソフトウェア開発者採用ガイド』★★

 Joel Spolsky著。これまでのJoel本とほとんど重複。それでもよいという人か、または本当に採用ガイドとして使用するような人にはオススメ。

『異端の数ゼロ―数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念』★★

 チャールズ・サイフェ著。数学教養初心者向きとして、いい感じ。私は同著者の『宇宙を復号する』の方が好きだけど。

『イスラムの怒り』★

 内藤正典著。正月にイスタンブール行ったとき家にあったので。賛成できない意見も多いのだが、今日的な一般常識として押さえておいて損はない内容。

『クォーク―素粒子物理はどこまで進んできたか』★★

 南部陽一郎著。今更ながらノーベル賞つながり。

『東方儚月抄 〜Cage in Lunatic Runagate.』★

 ZUN著。儚月抄漫画版の合間を小説で説明するような感じなので、漫画版を先に読んでないと全く意味不明なので注意。漫画版を読んでても面白いかは微妙。少なくとも入門には向かない。

『まんが道』★★★★★

 藤子不二雄(A)著。言わずと知れた傑作。引っ越しのために部屋を探してたら、2人で2畳に住んでたとか、4畳半が広く感じたとかいうエピソードが頭に浮かんだので。

『投資信託にだまされるな!本当に正しい投信の使い方』★★

 竹川美奈子著。まあ常識的にいい。

『社会生物学論争史―誰もが真理を擁護していた』★★★★

 ウリカ・セーゲルストローレ著。どこの大魔導師かエルフ王かという名前に圧倒されそうになるけど中身も重い。本当に興味のある人にしかおすすめしない。

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』★★★★

 マックス・ヴェーバー著。説明不要なほど超有名。

おまけ

 これ見て「解せぬ」以上の何かしらの感想を持てる人は、たぶんJoelの言うポインタが理解できる程度の能力を持つ人。ホントこの人のTASは異次元だな。

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2010 1/28

ニューエイジについてのキリスト教的考察

 ニューエイジが日本人にとって極めて理解しにくい理由は、それが基本的に西洋思想、とりわけキリスト教と近代科学に対するアンチテーゼだからだ。

 ある程度まで当たり前で、仕方のないことだが、日本人はキリスト教についてよく知らない。*1「○○」をろくに知らないのに「○○への反発」を正確に理解できるはずがない。

 そこを上手いこと補うために推薦できるいい本がないかとずっと探していたのだが、

 経由で知ってついに発見した。これは素晴らしい。まさか教会そのものが出しているとは思わなかった。灯台下暗しとはこのことだ。

 全体で170ページしかない薄さに、ニューエイジの基礎に加えて、「キリスト教とニューエイジそれぞれが、互いをどのように見ているのか」という、日本人にとって最もわかりにくく、かつ重要な部分が濃縮されている。

 ニューエイジ関係の話題――うちでもガイア教シリーズがもろに関わる――ちょっとでも興味がある人には最適の本だ。断然おすすめする。というかもはや必読。

 ただし、聖書に対する最低限の知識は前提として必要。たとえば「旧約聖書と新約聖書って何が違うんだっけ?」とか「ピラトって誰?」とか思うようなら、阿刀田高の「知っていますか」シリーズぐらいでもいいので、一通り予習してからにした方がいいと思う。

 また、教皇庁の手になるものなので当然立場はカトリックであるが、プロテスタントとの違いが重要になる局面はこのレベルではないので、あまり気にしなくていい。

*1:近代科学についてもよく知らないが、それは幸か不幸か――不幸に決まっているが――どこでも共通だ。

おまけ

 つながりわかる人いますか?

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2010 1/26

服従の心理

 よく教科書にも載ってる有名なミルグラム実験の本。スタンレー・ミルグラムはスモール・ワールドの概念の先駆者としても有名。

 一応、旧版で読んだような記憶はあるが、

 で、山形浩生氏の批判というのに興味を持った。

 確かに、山形氏の批判は、どれもいいところを突いていると思う。この実験の今日的な解釈として同意できる部分が多い。おすすめ。

 「人間は責任を他人に預けたり、薄皮一枚かぶせて誤魔化したりするだけで、ずいぶん残酷なこともできる」という点で、

 と共通する部分が多々ある。合わせておすすめ。

おまけ

 服従服従。春閣下のは何か違う気がするので将軍様で。

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2010 1/19

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

 ここで言及したので、記憶に上ってきた。

 多分一番有名な架空歴史ラノベ。ヤン・ウェンリーってユルいヒーローの先駆けなんじゃないだろうか。

 ちゃんと読み直したわけじゃないが、今考えるといろんな意味で「911もオウムもソ連崩壊も起きてないときの小説だなあ」と思う。

 「話の展開に詰まったらとりあえず原理主義的宗教のテロで誰か殺しとけ」みたいなことも、今じゃ逆にできないんじゃないかという気がする。

おまけ

 今(再)アニメ化されたらこんな感じ……なわけねえか。

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2009 12/28

(本文とは無関係)

 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。

 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。

『最新脳科学が教える 高校生の勉強法 東進ブックス』★★★★

 池谷裕二著。胡散臭い分野だけど、まともな内容。個人的には新しい内容はなかったがおすすめ。高校生でなくてもおすすめ。

『ゲーデルの不完全性定理』★★

 レイモンド・スマリヤン著。スマリヤンの他の本とは違って啓蒙書とは言えません。本気で証明します。名前しか知らないで大げさなこと言う人たちに引っかからないように、人生で一度はぐらいはやっとくべきかも。

『整理HACKS!―1分でスッキリする整理のコツと習慣』★

 小山龍介著。iPhoneと書籍電子化の話が書いてあると聞いたので。SugarSync使ってみるか。

『消された科学史』★★

 著者にグールドが入ってたので昔読んだ。科学史好きな人には。

『影が行く―ホラーSF傑作選』★★★★

 その筋では有名な『遊星からの物体X』の原作は、ジョン・W・キャンベル・ジュニア『影が行く』である。

『46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生』★★★

 ロバート・カーソン著。ドキュメンタリーに加えて、見るというのは単に眼というカメラに光が入るだけの話ではないという話。再生医療は今後いろいろと面白そうだ。

『結晶世界』★★

 J・G・バラード著。今となってはやや古いけど、近年でもたとえば『EDEN』なんかで元ネタになってる。

『4Gbpsを超えるWebサービス構築術』★★★

 すげえもんだ。そういえば、livedoor readerだけはGoogle無双の今でも使ってるな。

『おしゃべりな宇宙―心や脳の問題から量子宇宙論まで』★★

 K.C. コール著。無難な感じの科学啓蒙本。

『死体が語る歴史』★

 フィリップ・シャルリエ著。予想と違って、いわゆる考古学の時代の話より歴史時代の話が多い。

『学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史』★★★★

 ハワード・ジン著、レベッカ・ステフォフ著。子供向けだけど良くできてる。

『盲目の時計職人―自然淘汰は偶然か?』★★★★★

 リチャード・ドーキンス著。新刊が出た影響で紹介しときたくなった。兄貴は書名のつけ方が悪魔的に上手いと思う。

『虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか』★★★★★

 リチャード・ドーキンス著。全体にいい本だが、前にもちょっと触れた第9章のガイア理論批判のところは、いつか使うかもしれないので興味がある人は読んどくといいかも。マーギュリスはもう擁護できないレベルにまで行ってしまったみたいだなあ……。(参考)

おまけ

 ゲーデルつながり。

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2009 12/27

ヒューマン・ユニヴァーサルズ―文化相対主義から普遍性の認識へ

 ここ1世紀ぐらいの人類学の歴史を超大雑把に捉えれば、文化相対主義が盛り上がって頂点を極めた後、徐々に後退している歴史であるといえる。

 もちろん、今日の基準に照らせば馬鹿馬鹿しいほどに極端な相対主義は、さらにその前の、もっとずっと極端に酷い文化差別・性差別がまかり通った時代への反動として生まれてきたものだ。

 そのことを忘れて、単に後知恵の批判をするだけではまずい。それらの歴史も踏まえた上で、新しい知見を受け入れていかなければならないのだ。

 で、これはその人類の普遍特性、ヒューマン・ユニバーサルに関する本。エディプス・コンプレックスの存在を自明視していることだけちょっと疑問だが、いい内容だと思う。

おまけ

 要するに、人間のすることが全て文化の産物だというのなら、なぜこんなことが可能なのかということ。

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