監修の池上俊一氏からたどり着いた本。こういう事典的なものをがーっと読むのも中世ファンタジーも大好きなのでわりとツボにはまった。目次の項目を並べてみるとこんな感じ。
- さまよえるユダヤ人 永遠という罰の重み
- プレスター・ジョン 朗報かそれとも悪い報せか
- 占い棒(ダウジング) なんでも見つけ出す魔法の棒
- エペソスの眠れる七聖人 復活する死者
- ウィリアム・テル 本当はいなかった弓の名手
- 忠犬ゲラート 命の恩人は動物だった
- 尻尾の生えた人間 「よけいなもの」か「必要なもの」か
- 反キリストと女教皇ヨハンナ 悪しき者たちへの恐怖と期待
- 月のなかの男 いまもそこにいる理由
- ヴィーナスの山 戻ってきた者はひとりしかいない
- 聖パトリックの煉獄 足を踏み入れた者たちの証言
- 地上の楽園 それはどこにあるのか
- 聖ゲオルギオス 残酷な拷問とドラゴン退治
- 聖ウルスラと一万一千の乙女 偽りだらけのくだらなくて愚かな物語
- 聖十字架伝説 けたはずれの創造力
- シャミル 虫や石に宿る謎めいた力
- ハーメルンの笛吹き男 誰もが知っている伝説の正体は?
- ハットー司教 ネズミに食い尽くされた強欲の司教
- メリュジーヌ 裏切りは別れを招く
- 幸福の島 聖なる場所は西にある
- 白鳥乙女 詩人に愛された美しい鳥
- 白鳥の騎士 素性をたずねてはならない
- サングリアル(聖杯) 聖なる器の伝説
- テオフィロス 悪魔と契約した司祭
ハーメルンの笛吹き、ウィリアム・テル、ダウジングあたりまでは聞いたことがある人の方が多いと思われるが、それ以外となるとあまり知られていないのではないだろうか。
古代インドまでさかのぼるいわゆるアーリア系の神話伝承や、キリスト教以前のいわゆる異教の信仰が、キリスト教化されて取り入れられているというケースが非常によくあるのがわかって面白い。
人間の心を捉えるファンタジーというのは、いつの時代もそんなに変わらないものなのかもしれない。いつの時代も変わらないと言えば、初版は1866年というものすごいロングセラーらしい。
おまけ
いつの時代もつながり。
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