人間歳を取ると時間が経つのが早く感じるとよくいう。原因はいろいろあるのだろうが、子供と老人の脳に生理的に極端な差を設ける理由はあまり思いつかないので、心理的な影響が大きいのではないかと思う。
生まれたばかりの子供には、世界は目新しいことばかりで、常に驚きの連続だから、時間が長く感じる。大人や老人には、世界はすでに見慣れたものだから、刺激が少なく、相対的に短く感じるというわけだ。
こういう考え方もできる。たとえば5歳の子供にとっては一年間はこれまでの人生の20%にも及ぶが、50歳の大人にとっては2%にすぎない。脳が常に主観的に世界を解釈するとするならこれはありそうに思える。
すると年齢x歳の主観的な時間はx倍の早さで流れる、あるいはx歳の人間は1/xの時間しか過ごせないということになる。1/xを積分したlog x がその人の主観的な年齢となる。これを対数年齢とする。
すぐ出てくる問題は主観的には存在しないゼロ歳近くの時間が一番重要になってしまうことだ。log xはゼロに近いところの傾きが大きいためだ。しかし、これは物心つく前の3歳までは無視すると決めてしまえばいいだろう。
log xを出したあと、log 平均寿命で割って平均寿命をかけると、その人が主観的な尺度でどれほど老いているかを表す対数年齢が出るわけだ。log 関数の性質を知っていれば、結果はかなりとんでもないものになることが予想されるわけで、関数電卓を引っ張り出してきてみるとやっぱりうわぁああああああ!!
年齢を入力するだけで対数年齢に変換してくれるスクリプトを作ったら受けるかもしれないなあ。……とここまで考えたところで、私が世界初なんてことはあるまいと思ってググったらやっぱりもうあった。
さっそくやってみて下さい。ただしゼロ歳近くの問題の処理のところだけちょっと違っていて、私が考えてたものよりもっと恐ろしい結果になるので悶絶しないように(笑)。
先にやられてたから言うわけではないが、よく考えたら16進年齢とか日齢が面白いのは、逃れられぬ老いという現実をほんの一時でも茶化したり誤魔化すことができるからであって、さらに激しく現実を突きつける対数年齢が流行ることはないだろうなあ。
ところでその老いが逃れられぬという現実は、宇宙の絶対不変の真理であるかのように思われているが、実は全然そんなことはなくて、比較的近い未来に不老不死があっさり実現して世界に革命的変化がもたらされる可能性は結構あるのだがそのことはまた別の機会に。
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