ニューエイジが日本人にとって極めて理解しにくい理由は、それが基本的に西洋思想、とりわけキリスト教と近代科学に対するアンチテーゼだからだ。
ある程度まで当たり前で、仕方のないことだが、日本人はキリスト教についてよく知らない。*1「○○」をろくに知らないのに「○○への反発」を正確に理解できるはずがない。
そこを上手いこと補うために推薦できるいい本がないかとずっと探していたのだが、
経由で知ってついに発見した。これは素晴らしい。まさか教会そのものが出しているとは思わなかった。灯台下暗しとはこのことだ。
全体で170ページしかない薄さに、ニューエイジの基礎に加えて、「キリスト教とニューエイジそれぞれが、互いをどのように見ているのか」という、日本人にとって最もわかりにくく、かつ重要な部分が濃縮されている。
ニューエイジ関係の話題――うちでもガイア教シリーズがもろに関わる――ちょっとでも興味がある人には最適の本だ。断然おすすめする。というかもはや必読。
ただし、聖書に対する最低限の知識は前提として必要。たとえば「旧約聖書と新約聖書って何が違うんだっけ?」とか「ピラトって誰?」とか思うようなら、阿刀田高の「知っていますか」シリーズぐらいでもいいので、一通り予習してからにした方がいいと思う。
また、教皇庁の手になるものなので当然立場はカトリックであるが、プロテスタントとの違いが重要になる局面はこのレベルではないので、あまり気にしなくていい。
*1:近代科学についてもよく知らないが、それは幸か不幸か――不幸に決まっているが――どこでも共通だ。
おまけ
つながりわかる人いますか?
コメント
>Nさん
ごめん返事が遅れた。
その本自体は読んでない。
リストに入れておく。
でも軍隊とオカルトというのは面白いよね。
構成上の都合で本編には入れてないけど。
イルカに限っても米軍との関係は結構ある(あった)し。
自己解決されてしまった後でナンですが、概ねその通りです。
初見イメージとしてはズバリ
「科学をわかってない」お前らは「不幸だ」
で、
【日本人】‐【向こうの人】間より
【理解してる人】‐【理解してない人】間の方が強調されてしまった感じでした。
確かに前後文を読めば“――が(それはさておいて)”で
ここで言いたい本筋は別にあるよとも読めるのですが
「不幸に決まっている」の強烈さと計ると、んーむ。
なかなか面白そう、というか勉強になりそうな本ですね。
こういうのは漫然と本屋ぶらぶらしてても行き当たることはないな。
「実録・アメリカ超能力部隊」というルポはお読みになっていますか?
トンデモ本としか思えないタイトルなので食わず嫌いしてる人も多いのではないかと思っているのですが、
中身も確かに常に眉を湿しながらでないと…「米軍とニューエイジ」の系譜を追った本です。
(あるいは民間ニューエイジに対する米軍オフィシャル・ニューエイジ・オルタナティブ)
そういう伏流というものが、当然あるべくしてあるのだ。だから連中はときどきかなり変なのだ、と、
ともかく私にとってのそうゆうことについてのファーストコンタクトとしてはいい本を読んだ。
ディテールの実証性については何もいう材料を持ち合わせないけど、アメリカがアアなんだから米軍もアレなはずだという確信だけはある
ああ自己解決したかもしれない。
科学をわかってないお前ら「日本人は」「不幸」だ。
という意味に取ったのか。
それならエグいという形容になりうるね。
「私は」相互理解がまだましという意味では明らかに幸運。
でも科学系がかなりの割合しめるブログなのに
科学が理解されないのを「幸運」とは口が裂けても言えぬ!
だからあえて無理矢理「不幸」と言う!
というところまで含めてこの言い回しなの。
自分で解説しといてなんだが、
確かにわかりにくいわ。ごめん。
>3
どういう意味に取ってるのか興味があるから教えてくれい。
世界のどこでも近代科学というのは理解しにくいのだから、
せめて欧米と日本の隔絶に断絶に寄与していないことぐらい
幸運と思おうじゃないかという、最大限好意的な文脈だと思うのだが。
こういうエグい事をさらりと書く人が多いから
幸せな死を求めて皆はスピリチアルに走ってしまうのでは。
おお、なかなかやるな……と思ったが、
すでに中間テストのエントリ
https://tkido.com/blog/658.html
に自分でコメしてたのを忘れてた。
ファミコン最初の高知能イルカが出てる作品…ですかね?>星を見るひと