科学技術哲学 デヴィッド・タカーチ『生物多様性という名の革命』 うむむ、もともとある下心を持って借りてきたのであって、良い本だと期待していたわけではないのだが、これではちょっとグダグダ過ぎて叩き台にも使えない。 amazonリンク先の山形浩生の書評にほぼ同意する。多様性擁護がこんなスピリチュアルしなくちゃできない議論だと思われたらかえって迷惑だ。 参考リンク 地球温暖化や生物多様性の発見から政治へ 『生物多様性という名の革命』 - leeswijzer: b... 2008.12.1 科学技術哲学
ガイア教の天使クジラ ガイア教の天使クジラ33 ジョン・C・リリー『イルカと話す日』 6/8 【第32回】 【目次】 【第34回】 前回でリリー博士に関しては最大の山場を越えたが、まだいくつか興味深い部分が残っているので『イルカと話す日』から抜き書き風に進めよう。 第一章 イルカに関する新学説の展開 イルカに関する学説を最初に記録したのはアリストテレスである。その著作『動物誌』の中で、アリストテレスはイルカに関して鋭い観察を数多く書き記しており、イルカが胎生であること、授乳すること、呼... 2008.11.25 ガイア教の天使クジラ
科学技術哲学 ポール・ホフマン『放浪の天才数学者エルデシュ』 ポール・エルデシュの伝記にからめて様々な数学および数学史の逸話を盛り込んだ本。 四六時中手を洗う、とか潔癖症を通り越して強迫神経症を疑わせるようなエピソードが多数あり、これまた天才とキ○ガイは紙一重と表現したくなるような人物だったようだ。 エルデシュ自身に一般的にすごくわかりやすい目立つ業績(たとえば「あのフェルマー予想を証明した!」とか「あのポアンカレ予想を証明した!」とか)があるわけではな... 2008.11.22 科学技術哲学
科学技術哲学 デーヴ・グロスマン ローレン・W・クリステンセン『「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム』 『戦場における人殺しの心理学』の実践編みたいな位置づけの本。前作と共通部分が多いので、普通の人は前作のみで十分かもしれない。逆に自衛隊員・警察官・SP・警備員・消防士といった職業の人は自腹切っても読むべきだと思う。 いや……自腹というか、配られて然るべきなんじゃないのか? そもそも日本の自衛隊や警察では、ちゃんとこういう最新の研究成果に基づいた教育と訓練が行われているのだろうか? 根拠はないが絶... 2008.11.15 科学技術哲学
科学技術哲学 パスカル・ボイヤー『神はなぜいるのか?』 原題は『説明される宗教』(Religion Explained)。原題の方が内容に忠実だ。全体の趣旨は私なりに思いっきり要約するとこう。 従来の説明 宗教は説明を与える。 宗教は安らぎを与える。 宗教は社会に秩序を与える。 宗教は認知的錯覚である。 これらはみな一理あるが不十分である。このような現在「宗教の特徴」と言われて思いつくようなものは、いくつかの大宗教の特徴であるに過ぎず、宗教全体の中で... 2008.11.14 科学技術哲学
科学技術哲学 ウィリアム・パウンドストーン『天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話』 クロード・シャノンといえば情報理論を1人で生み出し完成させたと言われる、今日のコンピュータ化世界を作った立役者の一人。そのシャノンの人生と絡めてギャンブルと金融市場に関する理論とアメリカ社会の歴史を描くという本。 ちょうど同じウィリアム・パウンドストーン著でフォン・ノイマンにスポットを当てた『囚人のジレンマ』と同じような構成だ。彼の本はどれも最高クラスに面白く、もちろんこの本もつまらなくはないの... 2008.11.7 科学技術哲学
科学技術哲学 河井智康『消えたイワシからの暗号―七人の研究者と魚類五億年目の謎』 このものすごいタイトルを見て超絶したトンデモ本を期待して借りたのに、意外にもまともな水産学本だった。 妙に力の入った言い回しを好む人らしく、ところどころかなり変なことも言っているが本筋にはあまり関係ない。ちょっと残念(笑)。 おまけ 【ニコニコ動画】初音ミクねんどろいど到着記念「おさかな天国」 2008.11.2 科学技術哲学
科学技術哲学 マイク・モーウッド『ホモ・フロレシエンシス―1万2000年前に消えた人類』 1万2000年前と言えば、以前紹介した『銃・病原菌・鉄』で、人間集団間の文明の格差が生じ始めるスタート時点として仮に設定されていた1万3000年前よりも後だ。 そんな年代まで、チンパンジー並みの体格で火や石器を操っていた別の人類が生きていたとしたらどうだろう? ……という、実に様々な知的興奮を掻き立てるホモ・フロレシエンシスだが、この本自体はどうも書き方が悪いのか、研究に際しての他の研究者やマ... 2008.11.1 科学技術哲学