政治経済社会

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銃社会・銃規制問題でオススメの本

バージニア工科大の銃乱射事件や長崎市長射殺で再び銃規制の話が盛り上がりそうだ。*1アメリカの銃問題については服部君射殺事件の時に興味を持っていろいろ調べた。  結果として今では単純な銃規制派には与しない。アメリカは予見しうる未来に渡って個人が武装する権利を否定することはないだろうが、それが必ずしも悪いことだとは思わない。  もちろん仮にアメリカが全ての歴史的経緯を無視して現在のアメリカ並みの銃社会...
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マリー=フランス・ボッツ『子どものねだん―バンコク児童売春地獄の四年間』

わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 劇薬本「子どものねだん」で知る児童買春地獄 に書評があったので便乗。  私もこの本は読んだことがあり、かなりおすすめできる。舞台はタイのバンコクやパタヤであり、私も小中学生の頃住んでいたり遊びに行ったりしたことがある場所だ。そのすぐ側でこういう現実もあったのだなあとかなり感慨深かった。  ただ具体的な内容にはいろいろ問題がある。ペドフィル男性に...
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DIO様・フリーザ様・中国様

最近中国を「中国様」と呼んでいるのを結構頻繁に見かける。個人的にはいかなる対称であっても名称・呼称をおちょくるのは反則であると思っているので自分では使わないが、その理由を抜きにしてもこの「中国様」という呼び方は好きになれない。  もちろんそう呼びたくなるのはわからなくはない。わかればこそである。世界に対する当事者意識の薄さを感じさせるところが好きになれないのである。この「様」はフリーザ様とかDIO...
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デーヴ・グロスマン『戦場における人殺しの心理学』

うーん、これは非常に面白かった。私なりの要約。  研究によると古今東西の兵士は想像以上に敵を殺せていない。というより殺そうとしていない。殺せても強烈なトラウマに悩んで社会不適合になったりする。それは人間には殺人に対する凄まじい心理的抵抗が存在するからだ。  そのような抵抗を持たない“生まれながらの兵士”も1%とか2%とかそんな割合で存在し、優秀な兵士となる。しかし多くの普通の兵士に敵を殺すことがで...
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アービンジャー・インスティチュート『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

知りもしないのにいつの間にかアマゾンアソシエイトの売り上げの中に入っていたこの本。この手の自己啓発本はまったく読まないのだが買ってみた。  ちょっとは期待したのだがやっぱりあまり面白くなかった。「悪いことは自分のせい、良いことは人のおかげ」という要点をいろんなたとえ話で繰り返しているだけ。  元はアメリカで売れた本らしいが、まあ欧米では斬新に感じるのはわからなくはない。しかし日本ではそんなの啓発さ...
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一家に一冊! 面白くてためになる カール・シファキス『詐欺とペテンの大百科』

Life is beautiful: 悪徳マルチ商法の被害者をインタビューしてみた  「ネズミ講」の意味がわからない大学生がいるという話を聞いて是非オススメしておかなければと思ったのはこの本です。  滅多にない耐え難いほど面白い本でもう何回読んだかわかりません。まずどんな本であるかがうまくまとまっている訳者あとがきから引用します。  近年の急速な社会のハイテク化に、情報化に伴い、次々と新手の詐欺や...
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『ヤバい経済学』とセットで読め! ティム・ハーフォード『まっとうな経済学』

『ヤバい経済学』を買ったとき隣に並んでいた。邦題とカバーもわざわざ『ヤバい経済学』と似たようなイメージになっていた。  原題は"The Undercover Economist"で、本文中にたびたび出てくる「覆面経済学者」に相当する単語で、全然関係がない。「あからさまな便乗商法だな」と思いつつ前書きを読んだら予想外に十分独立して面白かったので一緒に買って帰った。  『ヤバい経済学』は、経済学者が経...
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冷徹な頭と温かい心 スティーヴン・レヴィット スティーヴン・ダブナー『ヤバい経済学─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』

こちらを見て購入したが大正解。確かに最近読んだ本の中では別格の面白さ。  経済学の本というより「経済学者がその着眼点と手法でもって普段経済学が扱わない社会の事象を研究したらどうなるか?」を書いた本だ。 学校の先生も相撲の力士もそれをするインセンティブがあれば八百長をする。統計データから見抜くこともできる。 KKKも不動産屋もその力の源は情報にある。正しい情報が知れ渡ってしまえば力を失う。 麻薬を扱...