コミック

おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2011年2月版

最近読んだり見たりしたもの、またはずっと紹介したいと思っていたものの中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。  ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。 『不思議の森のアリス』★★★  リチャード・マシスン著。短篇集。ホラー系。結構好き。 『運命のボタン』★  リチャード・マ...
アニメコミック

弐瓶勉『シドニアの騎士』

弐瓶勉には『BLAME!』で一時期すごくハマっていたのだが、『BIOMEGA』がいまいちだったことから、新連載のこれはずっとスルーしていた。  しかし今回、のうん君のつぶやきがきっかけでレンタルして1-4巻までまとめて読んでみたら、メチャメチャ面白かった。  いつも通りの異常なセンスと「普通さ」とでも言うべきものが両方そなわり最強に見える。『BLAME!』の絶頂期ほどとは言わなくても再び注目したい...
アニメコミック

よしながふみ『大奥』

今まで全く気にも止めていなかったが、どこかでジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を取っていることを知って、TSUTAYA のコミックレンタルで借りた。予想よりかなり面白い。  元々BL系の作者だという話から、とりあえず男が掘られてりゃ高く評価しちゃう的なアレじゃないのか? という予断もあったのだが、いい意味で裏切られた。  男女逆転というテーマを聞いたときは、そんなに興味は持てなかった。ジャイアン...
おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2010年6月版

最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。  ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。 『火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者』★★★  オリヴァー・サックス著。『動物感覚』でこれだけ読み落としていたことに気づいた。『...
アニメコミック

ゴルゴ13の出身が決して明らかにならないのはなぜか?

ゴルゴ13の出身は、たびたび話題になるものの、決して明らかになることはない。なぜか?  ある意味では答えは簡単だ。多分あなたもすぐ思いついた通りだ。明らかになってしまったら、いつでも使えて確実に人気のあるネタの一つが無くなってしまうからだ。  しかし、それはあくまで至近要因だ。なぜゴルゴの出身が確実に人気のあるネタなのか?  想像してみよう。ついにゴルゴの真の出身が疑問の余地なく判明した! 実はロ...
アニメコミック

久住昌之 谷口ジロー『孤独のグルメ』

知る人ぞ知る怪作。タイトルの時点ですでに何かが決定的におかしい。  内容も、輸入雑貨の貿易商を個人で営んでいる井之頭五郎という普通の男が、腹を空かして普通に食事をするというだけ。本当にただそれだけ。  藤子不二雄のSF短編で、食事と性行為に関する羞恥心の概念が逆転した世界に迷い込んでしまう男の話があった。(参考)  その世界では、食事は個体の維持にしか貢献しない利己的な行為だから、一人隠れてこっそ...
アニメコミック

花沢健吾『アイアムアヒーロー』

最近連続していい評判を聞くので、引っ越し準備の息抜きに、1巻を注文して読んだ。確かにすごく面白かった。  大急ぎで2巻も続けて注文しようと思ったらAmazonで品切れになってる。そりゃなるわな。死ぬほど使い古された題材に思えても、ちょっとした工夫と表現力次第でまたすごく面白くなる、という好例かもしれない。  何言ってもネタバレになりそうなので、曖昧な言い方しかできないが、 オカルト ホラー グロ ...
文化芸術宗教

蔡志忠 野末陳平『マンガ 禅の思想』

昔見たあるコマを利用したくて再読したついでに。  禅問答というのは、通俗的には訳のわからん問答の代名詞的に使われていますが、実際にもやっぱり訳のわからん問答です。  いくら「二元論的な思考を乗り越えるための」とかなんとか理屈をつけてみても、結局やってることは  「全然違う! まったく逆! お前は何も悟ってない!」  とお互い言い合って、気圧された方が負けというだけなのです。  ……あれ? 意外と現...