宗教

ガイア教の天使クジラ

ガイア教の天使クジラ38 キリスト教徒よりもキリスト教的なガイア教徒

【第37回】 【目次】 【第39回】 さあ、ユリカさんとビクター・ケラハーを分けているのは何という文化のどんな違いか? という第13回の問い*1に答えられる時がついに来た。宗教文化が*2唯一神教的か否かの違いだ。 第2回の段階では「ひどいこじつけだな」ぐらいにしか思わず、第12回でも信念がぐらついて不安を感じた程度の人でも、ここまで来たら、もうこの回答を拒否することは難しかろう。 野崎友璃香とビク...
ガイア教の天使クジラ

ガイア教の天使クジラ37 アーサー・O・ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』

【第36回】 【目次】 【第38回】存在の巨大なる連鎖よ、神より始まり、霊妙なる性質、人間的性質、天使、人間、けだもの、鳥、魚、虫、目に見えぬもの、目がねも及ばぬもの、無限より汝へ、汝より無に至る。より秀れしものに我等が迫る以上、劣れるものは我等にせまる。さもなくば、創られし宇宙に空虚が生じ、一段破れ、大いなる階段は崩れ落ちよう。自然の鎖より輪を一つ打ち落とせば、十分の一、千分の一の輪にかかわらず...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2012年7月版

『飢える大陸アフリカ―先進国の余剰がうみだす飢餓という名の人災』★★★ ロジャー・サロー著、スコット・キルマン著。現代の飢餓は物理化学生物的な限界の問題ではなく政治の問題。最悪なのは先進国の農業補助金。まあわかっていたと言えばわかっていたことではあるが、とてもいい。おすすめ。サロー他『飢える大陸アフリカ』:アフリカ農業の発展方策をまじめに考えた、ものすごくまともでよい本。 - 山形浩生 の「経済の...
ガイア教の天使クジラ

ガイア教の天使クジラ36 大きな鍵

【第35回】 【目次】 【第37回】 ある現象を理解するということは、何が変化して何が不変であるかを、理解することだと言える。 何も変化がないのであれば、そもそも考えるべきことが存在しないであろうし、何もかもが変化してしまうなら、やはり考えるべきことが存在しないであろう。 たとえば物理学であれば、変化しない保存量が何かがわかれば、その保存則を用いて現象を理解したり予測したりすることができる。 社会...
ガイア教の天使クジラ

ガイア教の天使クジラ35 ジョン・C・リリー『イルカと話す日』 8/8

【第34回】 【目次】 【第36回】 さて長かった*1『イルカと話す日』の本文も、ついに今回が最後である。名残を惜しむとともに、抜かりなくここまでのまとめと今後の展望についての準備を始めよう。第一〇章 生態系の一員としての自覚を持った科学的観察者 これまで科学者といえば、実験を行ない、こうした実験から自分なりの推論を引き出し、学術論文を発表する者のことであった。(中略)科学者は、学術誌や学会で研究...
ガイア教の天使クジラ

ガイア教の天使クジラ34 ジョン・C・リリー『イルカと話す日』 7/8

【第33回】 【目次】 【第35回】 前回から3年弱も間が開いてしまったが、何事もなかったように再開しよう。あと2回ほど『イルカと話す日』を続けたあと、リリー博士のまとめに入る。第三章 クジラ類との異種間コミュニケーションに必要な諸科学 一九五五年から現在までのあいだに、異種間コミュニケーションを実現するためには、事実や理論を理解するためにさまざまな科学が必要だということが明らかになった。こうした...
科学技術哲学

ニコラス・ウェイド『宗教を生みだす本能 ―進化論からみたヒトと信仰』

原題"THE FAITH INSTINCT"。スティーブン・ピンカーの"THE LANGUAGE INSTINCT"(『言語を生みだす本能』)を意識して、その向こうを張ったものだ。 宗教を生み出し運用する能力は、言語を生み出し運用する能力と同じく、集団を内部で結束させ、他集団との戦闘などで有利にするために、進化によって積極的に選択された本能であり、何かの副作用でたまたま生じたわけではない。 という...
おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2010年10月版

最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『5万年前―このとき人類の壮大な旅が始まった』★ ニコラス・ウェイド著。ところどころちょっと勇み足っぽく見えるところがあるが、悪くないと思う。...