書評

政治経済社会

岡田斗司夫『「世界征服」は可能か?』

The Better Angels of Our Nature その48  - shorebird 進化心理学中心の書評など で出てきたので興味を持った。 ポイントは一行で表すことができる。「征服」という概念は収奪的制度下でなければ意味を成さない ということだ。 それは、アメリカ合衆国が残りの世界全部を合わせたより強大な軍事力を持ちながら、なぜ他国を次々と侵略・征服していかないのか? という、小中...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2014年3月版

『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?―― ヒトの進化からみた経済学』★★ ポール・シーブライト著。原題"The Company of Strangers"(見知らぬ人々の協力)。邦題は煽り気味ではあるが、主張・内容から見てトンチンカンではない。書評 「The Company of Strangers」 - shorebird 進化心理学中心の書評など『生命起源論の科学哲学―― 創発か、還元的説...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2014年2月版

『パンプキン・シザーズ』★★ 岩永亮太郎著。トライガンの系譜に属すると思われる。まだ途中だが、TSUTAYAのコミックレンタルのたびにちょっとずつ読んでいる。商業的に大ヒットするわけでも歴史に残るわけでもないだろうけど、私は好きだな。『バクマン。』★★★★ 大場つぐみ原作、小畑健著。連載時は読んでなかったが、レンタルで一気読みしたら面白かった。ガモウひろし大場つぐみはやはりすごいな。『にわかには信...
日常の一コマ

『火の賜物』を実感する

『火の賜物』であった、料理(された食物)の必要性が男女の分業を促進したのではないかという説。 最初はそんなことあるかなあと思ったが、よく考えるとそんなことがないわけがない。 最近自分は一日2食分の弁当を作ってもらって会社に持って行っているが、仮に2食とも外食に行かなければならない場合と比べて、仕事に使える時間がおそらく1時間ぐらいは違う。 コンビニがいたるところに存在する現代日本でさえそうなのだか...
文化芸術宗教

グレッグ・イーガン『白熱光』

すぐ買ったのになぜかしばらく積んでいた。読んでみたらかなり面白かった。イーガンの長編の中でも、これまで一番好きだった『ディアスポラ』に匹敵する面白さ。 あえてケチをつけるなら面白いだけ、ということか。アイデンティティとは何かというイーガン作品に通底してきたテーマがやや薄いのと、これまでと比べて若干オリジナリティに欠けるという点で『ディアスポラ』には及ばないかも。 表面的には『竜の卵』っぽいが、本当...
おすすめ書評まとめ

おすすめ書評まとめ2014年1月版

『そして日本経済が世界の希望になる』★ ポール・クルーグマン著。アベノミクスに関するインタビュー本。密度は薄いので元々クルーグマンとリフレ政策に興味がある人だけどうぞ。『決闘裁判―ヨーロッパ法精神の原風景』★ 山内進著。面白い。『選択の科学』★ シーナ・アイエンガー著。すでに他のルートで知っていた話も多いが面白い。『食品偽装の歴史』★ ビー・ウィルソン著。流行りなので。何にでも歴史はあるのだな。そ...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2013年12月版

『あんぱんまん』★ やなせたかし著。もちろん訃報から。『動物の言い分 人間の言い分』★★★★★ 日高敏隆著。この手の本は結構読み慣れているはずだが、それでも相当面白かった。この方『ソロモンの指環』や『利己的な遺伝子』の訳者だったのか。今まで意識してなかった。不覚。『ピーター・リンチの株の教科書―儲けるために学ぶべきこと』★★★ ピーター・リンチ著、ジョン・ロスチャイルド著。原題"LEARN to ...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2013年11月版

『すすんでダマされる人たち ネットに潜むカウンターナレッジの危険な罠』★ ダミアン・トンプソン著。欧米の事例ばかりだが悪くない。『1421』というトンデモ本については存在自体を初めて知った。日本ではそんなに知られていないのかね?『世紀の相場師ジェシー・リバモア』★★★★ リチャード・スミッテン著。まず単純に伝記としても面白い。投資の参考になる話もあるし、贅沢ぶりとか家族のスポイルぶりとか破滅ぶりの...