科学技術哲学 リチャード・ドーキンス『進化の存在証明』 はーい皆さん、グールド亡き今世界一有名な進化論啓蒙者であり、人格的には割とクソ野郎なドーキンスの兄貴の新刊のお時間です。 今回のテーマは非常に明解。進化は事実だということ。 「……それはギャグで言ってるのか?」と思うでしょうが、旧約聖書の創造論をまんま事実として信じている人間が今でも大勢いて、一定の政治力を保っている欧米の読者を主な対象としているので、そこは割り引いて考えて下さい。*1 個人... 2009.12.19 科学技術哲学
おすすめ書評まとめ 書評在庫一掃セール2009年11月版 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。 『クトゥルフ神話ガイドブック―20世紀の恐怖神話』★★ 朱鷺田祐介著。クトゥルフ神話は今見ると非常に陳腐というか普通だけど、それはこれを... 2009.12.6 おすすめ書評まとめ
科学技術哲学 ヘンリー・ペトロスキー『フォークの歯はなぜ四本になったか―実用品の進化論』 フォークの歯はなぜ四本になったか ヘンリー ペトロスキー 復刊リクエスト投票 まだちゃんとした書評を書いていなかったが、復刊を知ったのでオススメしておく。私も図書館で何度も借りて読んでいるが、これは手元に置いておきたいので早速注文した。 「形は失敗に従う」 というのがこの本の大きな主張。実用品の形などというものは、機能的な要請によって決まると普通は思われているが、必ずしもそうではない。同じ機... 2009.12.2 科学技術哲学
おすすめ書評まとめ 書評在庫一掃セール2009年10月版 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。 『軍事とロジスティクス』★★★ 江畑謙介著。あまり知らない分野なので面白かった。 軍事とロジスティクス : 書評 : 本よみうり堂 : ... 2009.10.31 おすすめ書評まとめ
科学技術哲学 マーリーン・ズック『考える寄生体―戦略・進化・選択』 『パラサイト・レックス』以来の面白い寄生ものを期待したのだが、どちらかというと進化医学ものだった。 面白さは普通。寄生ネタなら『パラサイト・レックス』、進化医学としては『病気はなぜ、あるのか』の方を先におすすめする。 1箇所だけ憶えておきたい箇所があったのでメモ。いつか詳細に紹介したいと思っている『恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化』で使うかも。 鳥のさえずりは脳の特定の部分でコントロールされ... 2009.10.31 科学技術哲学
科学技術哲学 長谷川寿一 長谷川真理子『進化と人間行動』 これも読んだのはかなり前だが、下の部分をメモするための再読。 ついでにおすすめすると、この話題に関する教科書として素晴らしい最高の出来。 想定されているのは大学の教養課程での使用だと思うが、わかりやすさも重視されているので高校生・中学生でも十分読めると思う。 マーガレッ卜・ミードの神話 文化が変われば何でも変わる, したがって固定された「人間の本性」など存在しない, という考えの証拠としてあ... 2009.10.20 科学技術哲学
科学技術哲学 エドワード・オズボーン・ウィルソン『知の挑戦―科学的知性と文化的知性の統合』 『社会生物学』で有名なエドワード・オズボーン・ウィルソンの本。 読んだのは大分前だが、下のシロアリの倫理のくだりをメモしたくてもう一度借りてきた。 人間が自明と思っている様々な倫理・道徳が、高い知能・複雑な社会から直接に出てくるわけではなく、進化や遺伝と不可分なのだということを言った、有名なたとえ話。 シロアリが現生種の社会レベルから文明を発展させたとしよう。たとえばオオキノコシロアリという、... 2009.10.17 科学技術哲学
科学技術哲学 サイモン・イングス『見る―眼の誕生はわたしたちをどう変えたか』 視覚全般に関する本。質・量・ひろがり・まとまりどの基準を取っても最高クラスです。超おすすめ。 プロローグ 若さと老い 第1章 感覚の共同体 第2章 視覚の化学 第3章 どのようにして眼は可能になるのか? 第4章 適応する眼 第5章 見ることと考えること 第6章 視覚の理論 第7章 視覚能力を授けられた神経質なシロモノ 第8章 色を見る 第9章 見えない色 第10章 眼が見るということ エピローグ ... 2009.9.24 科学技術哲学