科学技術哲学 「メタプラセボ効果」は当然あると思う 忘却からの帰還: メモ「メタプラセボ仮説」 メタプラセボ仮説という単語自体は初めて聞いたが、私はこの効果は当然あると思う。 まず、メタプラセボもプラセボも何も関係なしに、そもそも「傷や病気が治るのはなぜか?」ということから考えよう。 傷や病気はホイミやケアルの魔法で治るのではない。「自然」に治るのでもない。意識的にする必要はないが、自分の身体の各細胞が必死に働いて治すのだ。そして、必死に働くにはエ... 2010.3.1 科学技術哲学
科学技術哲学 苦痛の存在意義 「The Greatest Show on Earth」 その22 - shorebird 進化心理学中心の書評など「The Greatest Show on Earth」 その23 - shorebird 進化心理学中心の書評など shorebird氏の『進化の存在証明』*1についての記事を読んでいて思い出した。 以前 苦悩、あるいは私たちがそう呼ぶところの脳神経の働きなどはパンダの親指同様に、... 2010.2.13 科学技術哲学
科学技術哲学 ベルンド・ハインリッチ『人はなぜ走るのか』 当たり前だと思うかもしれないが、人間はマラソンができる。誰でもというわけではないにしても、鍛えれば42.195キロ以上走ることができる。 そんなことができる類人猿は、人間以外にはいない。人間は投擲力に優れているという話は前にもあったたが、持久走力も大変優れているのだ。 ところが「人間は精神的に優れた動物であり、代わりに肉体は貧弱で非効率的である」という根拠のない伝統的偏見が根強く、なかなかそのよう... 2010.1.11 科学技術哲学
科学技術哲学 リチャード・ドーキンス『進化の存在証明』 はーい皆さん、グールド亡き今世界一有名な進化論啓蒙者であり、人格的には割とクソ野郎なドーキンスの兄貴の新刊のお時間です。 今回のテーマは非常に明解。進化は事実だということ。 「……それはギャグで言ってるのか?」と思うでしょうが、旧約聖書の創造論をまんま事実として信じている人間が今でも大勢いて、一定の政治力を保っている欧米の読者を主な対象としているので、そこは割り引いて考えて下さい。*1 個人的には... 2009.12.19 科学技術哲学
おすすめ書評まとめ 書評在庫一掃セール2009年11月版 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『クトゥルフ神話ガイドブック―20世紀の恐怖神話』★★ 朱鷺田祐介著。クトゥルフ神話は今見ると非常に陳腐というか普通だけど、それはこれを皆がフ... 2009.12.6 おすすめ書評まとめ
科学技術哲学 ヘンリー・ペトロスキー『フォークの歯はなぜ四本になったか―実用品の進化論』 フォークの歯はなぜ四本になったか ヘンリー ペトロスキー 復刊リクエスト投票 まだちゃんとした書評を書いていなかったが、復刊を知ったのでオススメしておく。私も図書館で何度も借りて読んでいるが、これは手元に置いておきたいので早速注文した。 「形は失敗に従う」 というのがこの本の大きな主張。実用品の形などというものは、機能的な要請によって決まると普通は思われているが、必ずしもそうではない。同じ機能を実... 2009.12.2 科学技術哲学
おすすめ書評まとめ 書評在庫一掃セール2009年10月版 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『軍事とロジスティクス』★★★ 江畑謙介著。あまり知らない分野なので面白かった。軍事とロジスティクス : 書評 : 本よみうり堂 : YOMI... 2009.10.31 おすすめ書評まとめ
科学技術哲学 マーリーン・ズック『考える寄生体―戦略・進化・選択』 『パラサイト・レックス』以来の面白い寄生ものを期待したのだが、どちらかというと進化医学ものだった。 面白さは普通。寄生ネタなら『パラサイト・レックス』、進化医学としては『病気はなぜ、あるのか』の方を先におすすめする。 1箇所だけ憶えておきたい箇所があったのでメモ。いつか詳細に紹介したいと思っている『恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化』で使うかも。鳥のさえずりは脳の特定の部分でコントロールされるが、... 2009.10.31 科学技術哲学