おすすめ本書評まとめ2025年3月版

『エッシャー完全解読――なぜ不可能が可能に見えるのか』★★★★★

 近藤滋著。過去の著書も両方面白かった近藤滋先生。ありそうでなかった話でめちゃくちゃ面白い。

『「やさしさ」の免罪符 暴走する被害者意識と「社会正義」』★★

 林智裕著。いわゆる風評加害やキャンセルカルチャーの話。個人的には目新しさはないが、目下重要な話であるし、日本の本でちゃんとまとまっているのは貴重では。著者のもう一冊も読んでみようと思う。

『なぜ人はアートを楽しむように進化したのか』★

 アンジャン・チャタジー著。美意識の進化心理学。内容はいつもの通りshorebird先生にお任せ。

『エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来』★

 古舘恒介著。エネルギーに関しては良い啓蒙書と言えそう。付随するその他の文明論・精神論的な部分は蛇足というか胡乱というか、むしろトンデモ一歩手前。

『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』★

 アンジェラ・ダックワース著。なんか少し前にブームになったのは知っていた。別に間違ったことやおかしな事を言っているとは思わないが、啓蒙書よりは自己啓発書に近い位置づけだと思う。

『エッシャー 不思議のヒミツ』★

 熊澤弘監修。美術展の図録らしい。上の近藤滋先生本に刺激されて。

『戦争と交渉の経済学: 人はなぜ戦うのか』★★★★

 クリストファー・ブラットマン著。原題 “Why We Fight: The Roots of War and the Paths to Peace”(『我々はなぜ戦うのか:戦争の根源と平和への道』)思いもよらなかったというような話は一つもないが、とても重要な話題であり、かつ正しい内容だと思う。おすすめ。

『運動の神話』★★★★

 ダニエル・E・リーバーマン著。進化人類学の本としても健康のための啓蒙書としても非常に有益。何が良いかについては既知であるが、それがなぜかということがわかって励みになるという意味では『肥満の科学』に近いかも。

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